ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 物語レストラン〜本日開店致します〜 ( No.5 )
- 日時: 2010/01/26 15:47
- 名前: ガロルダ ◆2zLcupqRwQ (ID: TSkkgAHv)
一品目
〜+森の悪魔と娘のスープ+〜
いらっしゃいませ・・・・。いきなりですが貴方は
「森のくまさん」
の童謡を知っていますよね?
森に行ったお嬢さんが熊に出会い、
「お逃げなさい」
そう熊に言われたので逃げると熊が追ってくる。
理由はお嬢さんが貝殻のイヤリングを落としたから。
お嬢さんは拾ってもらった御礼に「歌」を歌う・・・。
確かそういうすじだったと思います。最後は熊とお嬢さんが仲良くなる、そういうハッピーな終わり方だと思います。
でも、もしその「熊」が・・・・・・
「熊」でなかった場合・・・・・
話が変わってしまうのでは・・・?
私なりに仮説を立てたところ、森のくまさんの童謡は考えれば怖い話にもなると思いました・・・・。
私が立てた仮説はこうです。歌詞の部分から考えました・・・・。
ある日、お嬢さんは森に出かけました。
その森には熊が出る、そう言われていましたがお嬢さんは構わず入って行きました。
少し奥まで行ってみると熊がいました。お嬢さんはビックリして固まってしまいました。
・・・・さてここから問題です。この「熊」、本当に熊だったのでしょうか?
私はこの熊を「熊に化けた悪魔」だと考えました。あくまでも想像ですがね・・・。話にもどりますよ・・・。
「熊」はお嬢さんの方を見ました。そしてある言葉を言いました。
イナクナリナサイ・・・・・
「熊」は「お逃げなさい」ではなく「いなくなりなさい」と言ったのです。
お嬢さんは「いなくなれ=私の前から逃げ去れ」と言う意味かと思い、逃げようとしました。
「熊」がお嬢さんに向かって追い払うように思いっきり縦に腕を振り下ろしました。「熊」の鋭い爪はお嬢さんの顔の真横ギリギリのとこを通過しました。
お嬢さんは怖くなって大急ぎで逃げました。走って、走って、走りました。
走っていると同時にお嬢さんの左耳に激痛が襲いました。あまりの痛さにお嬢さんは立ち止まってしまいました。
立ち止まると後ろから、
「オジョウサン・・・・、オマチナサイ・・・・、オトシモノ・・・・デス・・・・ヨ・・・・・。」
あの「熊」の声がするのです・・・。振り返ってみるともうすぐそこに「熊」は立っていました。
片手に何か持っているようですが、怪我をしたのか片手は血まみれです。
「熊さん・・・・、アタシの落し物とは何かしら・・・・?」
激痛に耐えながらお嬢さんは「熊」に聞きました。
「熊」は裂けるくらいに口を笑うようにあけると、片手に持っていた物をお嬢さんに見せました・・・・。
・・・・何があったと思います?イヤリングがあったのには変わりないんですがね・・・・・・・・・。
他にもあったんです・・・・・・・・・・・・・・・・。
お嬢さんの
「左耳」
が・・・・・・・・。
イヤリングのついた左耳ごと「熊」は持って来たのです。
なぜ左耳がとれたか?それはさきほど「熊」ががお嬢さんに向かって追い払うように思いっきり縦に腕を振り下ろした時、見えないスピードでお嬢さんの左耳は斬れていたのです。
「熊」の片手の中にはお嬢さんの左耳・・・・。真っ赤な血で濡れています・・・。
お嬢さんは自分の左耳のあった場所を触ってみると・・・。
確かに左耳がありません。自分の左耳が自分の身体についてなく、目の前にあることが分かってしまったお嬢さんは狂ったように叫びだしました・・・・。
そう・・・・
「森のくまさん」の最後の歌詞、お嬢さんが熊に御礼するために歌った、お嬢さんの歌声は狂ったように悲鳴をあげた声だったのです。
すっかり頭が狂ってしまったお嬢さんは「熊」に・・・・・・・・
もう貴方は分かりましたよね?
「熊」が言った・・・・・・
「イナクナリナサイ」
の
意味を・・・・・・・・・。