ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 物語レストラン〜お待たせしました!三話目です!〜 ( No.61 )
- 日時: 2011/12/17 22:49
- 名前: ガロルダ ◆2zLcupqRwQ (ID: TSkkgAHv)
〜+言霊のサラダ+〜
(後編)
(卓磨が・・・・死んだ・・・・?)
「昨日の午後9時13分頃に自動車にひかれたそうです・・・・。」
先生はくわしいことを話していました・・・。でもそんなこと秀人君の耳には届いていません。
(卓磨が死んだ・・・。待ってくれ・・、昨日俺は卓磨の卓磨に死ねと念じた・・・。これは偶然なのか・・・?それとも・・・。)
秀人君は夢中になって考えていました・・・。
体育の授業、今日は体育館で跳び箱をやっていました。跳び箱は秀人君の苦手なものです。
案の定上手く跳べなかった秀人君を女子の2、3人が馬鹿にしました。
秀人君は腹が立ち、
(お前等なんか体育館で跳び箱失敗して死ねばいいのに・・・・。)
そう思いました。
秀人君のことを馬鹿にした女子の一人が跳び箱にむかって走りだしました。
ダンッ!
勢い良く跳び台を踏み、跳び箱に手をかけたその時・・・・。
跳び箱の前に手をかけすぎ力を入れてしまったために、跳び箱が崩れ女子はマットの上へ落ちました。
「あー、ビックリしたぁ〜。」
女子はうつ伏せになったままそんなことを言いましたが、そう言い終わった瞬間・・・
ベシャ・・・
グロテスクな音ともに女子の頭は一瞬のうちに真っ赤になりました。いったい何が起きたのか・・・。
それはさっき崩れた跳び箱の一番上の部分がうつ伏せの状態で倒れていた女子の頭に直撃したのです・・・・。
皆がパニック状態になりました。先生はパニックになりかけながらも皆を落ち着かせようと必死でした。
秀人君は考えました・・・・。
(まただ・・・・俺が死ねと念じると死ぬ・・・。これは偶然なんかじゃ・・・。)
学校から帰ってきて部屋で辞書を適当にパラパラとめくっていた秀人君はたまたまこんな言葉を目にとめました。
『言霊』
意味は
古代、言葉に宿ると信じられた霊力だそうです。(現代国語例解辞典、第二版より)
「言霊・・・・」
秀人君はふと、こんな考えが頭の中をよぎりました・・・。
(俺が死ねと念じたり言ったりするとそいつは死ぬ・・・・。もしかして俺には
言霊
がいるんじゃないか・・・・・・?)
本当にそうならば死んだ奴の最大の原因も俺に言霊がとりついていて、俺が念じると死ぬという風に都合がつく・・・・・・・。
そう考えた秀人君は段々嬉しくなってきました・・・・。
「本当に俺が死ねと念じるだけでそいつが死ぬなら・・・・。」
秀人君は試しに外に出て行きました。するといきなり男の人がぶつかってきて・・・、
「おう!痛ぇじゃねぇか!!もっと周りに気をつけろ!」
と言われてしまいました。秀人君は腹が立ち
(死ね・・・・死んでしまえ・・・・・。)
と念じました。これでまた死ねば本当に自分には言霊がとりついていると分かる・・・・。
あの男の人が横断歩道を渡り始めました。すると大型トラックが向こうから飛び出してきました。
バシャーンッッッ・・・・・
大型トラックに跳ねられて男の人は死にました・・・・。
秀人君は
(死んだ・・・・すげぇ、俺には本当に言霊がとりついているんだ!)
と思い家に入り、その日はぐっすりと眠りました・・・。
次の日、秀人君は学校に行き思いました・・・・。
(今日がお前等の最期だ!俺を傷つける奴等は皆死んでしまえ・・・・・・!)
そう強く念じると教室にいた男子や女子、先生達が皆口から血を吐いたりして、次々と死んでいきました・・・・。
死者が沢山出来た教室を出て他の教室や、音楽室に家庭科室なども見に行きましたが皆一人残らず死んでいます・・・・・。
(俺を傷つける奴がこんなにいたということが分かった・・・・。言霊がとりついていて本当によかったよ・・・・・。)
そう思っていると突然、秀人君に恐ろしいほどの痛みが体中を襲いました・・・・。
秀人君はあまりの痛さに転げまわりました・・・・。
すると口から何かが飛び出てきました・・・・。
血と・・・・・・・
何かのかたまりらしきものがいくつか・・・・・・。
身体から血やら何やらが出てきてそれが止まらない中苦しみながらも秀人君は思いました・・・・。
なんで・・・・・・・・・
俺が・・・・・・・・
こんな目に合わなくちゃ・・・・・・・
いけないん・・・・だ・・・・??????
確かに秀人君が死ねと念じたのは
『自分を傷つける奴』
に対してです・・・・・。
でも何故・・・・・・
秀人君も
死ななきゃいけなかったんでしょうね・・・?
貴方にはこの謎・・・・・・・・・・・・・・・・・
解けますか・・・・・・?