ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 物語レストラン〜イメージソングを見つけました〜 ( No.89 )
- 日時: 2010/03/31 09:43
- 名前: ガロルダ ◆2zLcupqRwQ (ID: TSkkgAHv)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
[読者の皆様へ
今回は物語の部分の形式(?)が違います。オーナーが喋っているわけではございませんのでお間違えにならぬよう注意してください]
六品目
〜+見えない猫の呪いグラタン+〜
(前編)
お久しぶりです・・・・。
今回は何が食べたいですか・・・?
・・・分かりました、すぐに作らせますね・・・・。
それではいつものようにお話を致しましょうか。
これからお話しすることは実際にあったことでございます・・・・。
あれは三年くらい前の、俺が小三だったころだっけ・・・。
「ただいまんじゅう!」
と誰もいないのにそう言って学校から帰ってきた、九月の少し曇りがちな天気だった日・・・。
俺は、ランドセルをそこらへんに置いといてリビングでゲームをしていた・・・・。
ゲームをしていたら無性に喉が渇いてきたので何か飲もうと思い、勝手口を出たところにある棚の引き出しにコカ・コーラがあるのを思い出した。
「コカ・コーラでも飲もうかなぁ。」
そう言って台所にある勝手口に向かった。
勝手口を開け、サンダルを履こうと思って下を見た時にビックリした・・・。
薄いオレンジ色をした野良猫がそこにいたからだ・・・。
俺は始め、邪魔だからどかそうと思い軽く突いてみたりもしたが全く動かない・・・。
死んでるんじゃないかと思ったが、息はしている・・・。
顔を見てみると目の下は酷く爛れ、ハエがいくつもついていた・・・。この状況から見ると毒物か何かを食べて死にかけているのだろう・・・。
でもこのままで死ぬのはあまりにも可哀想なので俺は風呂のぬるま湯を桶に入れて、そのハエのついた顔にそっとかけてやった。みごとにハエは綺麗にとれた。
次に腹が減ってると思いままごと用の小さい入れ物に牛乳を入れ野良猫の口に持って行った。残念ながら野良猫は飲まなかった。
身体にもハエがついていたので残りのぬるま湯をかけたが野良猫は驚いて逃げようとし、勝手口の石段から落ちてしまった。
死んでしまったのかと思い慌てて見てみるとまだ息はあり、まるで死んでいるかの様に手足を動かさなかった・・・。
俺はもうこれ以上どうすればいいか分からなくてリビングに戻った。この時はコカ・コーラなんて取りに行く事を忘れていた・・・。
ただその時は
「あの猫はどこから来たんだ・・・。」
と考えていた・・・。
数時間して母さんが仕事から帰ってきた。窓から野良猫の姿を見たが、もうその時は全く動かず息もしていなかった・・・。
母さんに野良猫のことを話すと、母さんは保健所に電話して夜中に野良猫を引き取ってくれるよう頼んだ。
朝になると保健所の人が引き取りに来たらしく野良猫の死体は無くなっていた。
不意に母さんがこんなことを言ってきた。
「あの猫、昔ここで生まれた猫だと思うの・・・。」
どうしてそんなことが分かるのだろう、そう思っていたらまた母さんが言った。
「野良猫はね、死ぬときに生まれた場所へ帰ってくるのよ・・・。」
そうだったんだ・・・。あの猫はここで生まれたのか・・・。自分の場所に帰って来たのか・・・。
その日、出張から帰ってきた父さんにもこの事を話した。
「それはいいことをしたな。もしかしたらその猫がお前が危ないときに助けてくれるかも知れないぞ。」
そんなことを父さんは言った。
それからと言うもの俺は転びそうになっても転ばなかったり、学校のドッヂボールでもボールをヒョイヒョイよけられるようになり怪我をすることはほとんど無くなった。これもあの野良猫のお蔭なのかもと俺は今でも思っている・・・。
でも・・・・・・、
あの日から三年経ったここ最近・・・・・・。
奇妙なことが起こりだした・・・・・・・・・・・。
それは・・・・・・・・・・・