ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 物語レストラン〜お待たせしました!6品目前編更新です!〜 ( No.94 )
日時: 2010/03/31 09:42
名前: ガロルダ ◆2zLcupqRwQ (ID: TSkkgAHv)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

    〜+見えない猫の呪いグラタン+〜
           (後編)


あの野良猫が死んでから三年・・・。

今はもう三月、俺の家の庭とか近所で野良猫がたくさん子供を産む季節だ。お昼の時間などに外を散歩すると小さな可愛らしい仔猫がボロボロになった空き家っぽい場所などでじゃれあっている。母猫なども近くにいるが俺が傍で見ていても逃げようとしない。
そう、この近所の野良猫たちは学校へ行く途中で毎朝見た猫たちだったので野良猫も俺のことが平気になったんだろう。
夜もその仔猫達の声なのか少し遠くの方でニャーニャー鳴いている声が聞こえる。





でも・・・・最近そうじゃないことが分かったきた・・・・。





実は、一番初めに遠くで聞こえた声が日に日に近くで聞こえるようになってくるのだ・・・。そりゃあ生きている猫なんだから移動して近くで鳴くのも考えられるが・・・。でも・・・違うんだ・・・・。

鳴いている声がする場所が・・・・






階段の四、五段くらいからすぐそこにいるっていうくらいの声の大きさで聞こえてくるんだ・・・。


初めの時はそんなの気にしなかったけど日が経つにつれ鳴き声がだんだん悲鳴になっている気がして怖くなった・・・。

気になったので勝手口を出て階段のすぐ裏にあたる外の物置のドアの前に立った。

「たぶんここに住みついているのかな?雨宿りもできるし・・・。今声がしたのはここからだろう・・・。」

そう思ってドアを開けようとしたが開かない・・・・。



ドアに鍵がかかってる・・・。それなのにここから声がする・・・。なんでだ!?

とっさに俺は考え方を変えた。

「き・・・きっと兄ちゃんか父ちゃんがここからなんか出してる時に猫がいるの気付かないで鍵をかけたんだろう・・・、ハハハ・・・・。きっとそうだよ・・・。」

そう言いながら急いで物置の鍵を取りに行った・・・。


数分後・・・。まだ鳴き声のする物置の前に鍵をもった俺がいた・・・。

「急いで出さないと中にいる猫が死んじゃう!」

そう思って急いで鍵を開けた。

ガラガラ・・・

ドアを開けて物置の中をぐるりと見てみたが猫がどこにもいない・・・。でも鳴き声はする・・・。すぐ近くで、まるで隣にいるかのように近くで・・・。

クローゼットくらいの大きさしかない物置からする鳴き声を聞いて俺は必死に猫を探した・・・。

でも・・・・


見つからない・・・・・。


鳴き声はまだするのに・・・・・・



見つからない・・・・・・・。



なんでだ・・・・・。



その時ふと思い出した・・・・。



あの猫に呪われている・・・・?

だとしたら何故だ・・・・、何故呪われなければいけない!

あの時身体を綺麗にしてあげようとしてぬるま湯をかけたら、石段から落としてしまったから・・・・?

それか・・・?それが原因か・・・・?

仕返しはいつ、くるのだ・・・・?


俺はそんなことに悩み続けた・・・・。


そして日は過ぎ、三月二十七日・・・・。
今日は俺が行っているピアノ教室の生徒の発表会日だ。とても大きな区民ホールでやる。
この日にはおばあちゃんも来てくれた。

「今年は何の曲を弾くの?おばあちゃん、楽しみにしてたのよ。」

そんなことを言いながら荷物を置きに行こうと階段を降りてった。すると


ドタッガシャーン・・・。

という何かが転がり落ちた音がした。階段を見てみるとそこには倒れているおばあちゃんがいた。

「おばあちゃん!大丈夫!?」

「えぇ、えぇ。大丈夫ですよ、最後の一段を踏み外しちゃってねぇ。」

幸い床はカーペットがしいてあったの怪我はしなかったようだ・・・。

俺は安心して、その後も気持ち良くピアノを弾き、無事発表会を終わらせることができた・・・。



あの後気付いたのだが・・・仕返しは俺にこないで他人にきたことを知った・・・・。


そう・・・・おばあちゃんにきたのだ・・・。


石段から落ちた後の猫の体制と、階段を踏み外して落ちたおばあちゃんの体制が似ていたのだ・・・・。

あの時床がカーペットじゃなかったら・・・・・。


その先は考えないようにした。

でもあの猫はこれでもう俺を呪うことをやめたようだ・・・・。

その証拠に・・・・

もうあの物置から・・・・・・






        











         








          声はしない・・・・・・・・。