ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: みぃつけた♪ ( No.6 )
日時: 2010/01/28 04:56
名前: かな☆* (ID: gua0VHe/)

Episode 1. 銃声



私は雛野紗登子。
この山奥にある全寮制有名私立、
榊原学園中等部の特待生だ。

私は親を亡くし、叔母の知人が学園長をやっている
この学園に特別に入学した。

カスミ「さっちゃん!おはよ〜」

教室に入るなり声をかけてくれた栗色の髪の女子は
私の親友でもある、榊原カスミだ。
カスミは学園長の娘で、とても金持ちだった。

梨花「おはよう^^」

このおっとりした女の子は小野崎梨花。
カスミと同様、大金持ちだ。

私はこのクラスで、『さっちゃん』と呼ばれ
人気と言えば人気だった。

紗登子「みんな、おはよう!」


一月の空は少し曇っていてとても寒かった。
雪もまだ残っている。
ここはそこらの田舎よりもずっと山奥にある学園だった。


梨花「そういえばさっちゃん、もうすぐ誕生日だね」

のんびりした口調で言う梨花。
だがこう見えても運動神経は抜群だった。

カスミ「さっちゃん、何が欲しい?」

紗登子「う〜ん、なんだろ・・・」




鳥の声。
木々のざわめき。

いつもと変わらぬ日。

そう思っていた。

その時。



バーーーーーーン!



凄まじい銃声が、校舎内に響き渡った。
生徒がざわめき始める。

沙都子「な、なんの音だろぅ…」

カスミ「上の方から聞こえてきたよね?」

梨花「…」


上の方…
校舎は中等部だけでも六階建て。
ここ、2-Sは五階。
ってことは、六階でなにかあったんだ!

同じ事を察したのか、カスミが口を開いた。

カスミ「六階は…放送室、セキュリティー管理室、
学年主任の部屋、第二職員室、
会議室が三部屋くらいと理事長室、
学園長…室…」

カスミの声が小さくなった。
そう、カスミの祖父はこの学園の学園長。

梨花「学園長になにかあったのかしら」

沙都子「心配だね、なんか様子がおかしいし」

カスミ「おじいさま…
あたしはおじいさまだけなの!
あたし、あたしひとりになっちゃう!」

カスミは沙都子と同じように
両親を亡くしていた。

沙都子「そんな事言わないで。
まだ死んだわけじゃないでしょ?
それにあたし達がいるじゃん!」

梨花「カスミ、泣かないで…」


するとその時、放送がはいった。


ピンポンパンポン♪

いつものメロディーなのに
なぜか音が違って聞こえた。

沙都子「…っ」