ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: みぃつけた♪ ( No.7 )
日時: 2010/01/28 08:59
名前: かな☆* (ID: gua0VHe/)

Episode 2. 屋上の風



ざわめく校舎内に、突然放送がはいった。

~えー、生徒のみなさんおはようございます。
突然の事でびっくりしている事と思いますが
今から五分以内に、全校生徒ひとり残らず
屋上へ来てください。~


なんていうの、ヘリウムガスとか吸うとでる
モザイクがかった声だった。

なんなの?!一体、そいつは何者?!
怖い、嫌な予感がしてたまらない!

梨花「とりあえず行きますか…!」

行くしかない。行くしかなかった。
でも屋上に何があるのだろうか?
分からない。だから行く。

カスミ「早く行かないと…」

沙都子「ぅん、行こう」

三人の声は震えていた。

きっとこの学校、テロリストかなにかが
乗っとってるんだ!

その可能性は充分にありえた。
ここは山奥。近くには民家もない所。
学校の敷地を囲んでいるのは
森だけだった。
だから見つからない。
警察も来ない。

あたし達、助からないのかな…

屋上にはすでに、沢山の生徒が
真ん中に集められていた。
中等部はほとんど全員いた。
私たちも真ん中に集まった。
すると、ひとりの女の子が話しかけてきた。

梨沙「みんな!お姉ちゃん!」

小野崎梨沙だった。
彼女は梨花の双子の妹であったが学年が違った。

梨花は1996/03/31の11:59pmに生まれたのだが
梨沙は1996/04/01の00:00am生まれ。
だから梨沙は中一だった。

梨花「梨沙!」

梨沙「みんな無事でよかったです」

沙都子「梨沙、何があったか知らない?」

梨沙「それが、さっぱり…」

カスミ「あたし達、どうなっちゃうの?」

おびえた声で、梨沙にすがりつくカスミ。
その瞳からは涙がこぼれていた。



キャーーーーーッ!!!



悲鳴が聞こえたのは、それから間もなくの事だった。
私たちは一歩後ずさりをした。

黒い服に目出し帽をかぶった男が、入ってきたのだ。
その男は銃を持っていた。

体に鳥肌がたつ。
その男の後ろに、またふたり
同じ格好をした男が姿を現した。

「怖がらせてごめんなさいねぇ、生徒のみなさん。
でも大丈夫ですよ?私たちの言うとおりにすれば
何もしません」

ひとりの男が言った。
やはり、声が普通のとは違った。

するともうひとりの男が口を開いた。

「ゲームをしましょう。楽しいゲームですよ?
ルールは、簡単。
この全校生徒は学校の敷地内であれば
どこでもいいので 隠れてもらいます。
で、もし見つかったら殺される。
最後に残った人は一つ願いを叶えられる。」

は?なにそれ、どういう事なの?

「そんな事して良いと思ってんのか?!
警察が来るぞ!」

三年の男子が言った。

「それはありえないな。
こんな山奥で気が付くはずかない。
それに生徒達も逃げられないぞ!

この学校は占拠され、私たちの手によって
支配されたのだァァァッ!!!!!

さて、もしも捕まったらの話、
まず例を見せてやろうか?」


そしてひとりがひとりに合図を送り
さっき叫んだ男子を撃った。

風が吹いた。
冷たい風だった。


男は笑い、叫んだ。

「Ready...」(よーい…)