ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 2072.1.29 【オリキャラ募集開始ダ】 ( No.34 )
- 日時: 2010/02/04 18:27
- 名前: 黒神 恢羅 (ID: omWr5eXd)
Stage05 「New Life」
泡沫 朱雀という人物のいる第一研究所、能力者研究施設へ向かう俺と先生。
俺の左手に浮かんだ赤黒い蝶の模様は肩まで進んでいた。
左腕全体に赤黒い一匹の蝶と十字架が浮かんでいた。
「先生。やべぇよ、肩まで伸びたぞこの痣」
そう呟くと先生は「急いでるから待ってろ」と言い、運転を続けた。
二十分程の時間が過ぎた。
うとうとし始めた俺を起こしたのは先生のかけた急ブレーキだった。
「うぉ!? ……せんせ、運転荒いよ」
「悪い悪い」と言って先生は俺の手を引き車から降りた。
「すげ……」
目の前にはまるで未来の建物なのではないかと思えるほど大きく、近未来的な建物があった。
「この中の能力者研究施設に朱雀はいる。行くぞ」
俺はさくさくと進んでいく先生の後姿を追っていった。
研究所の中にはいくつもの施設があり、先生はその中を迷う事無く進んでいく。
「先生、ここ来たことあんの?」
「……昔、な」
先生はその話題には触れずに流した。
まあ、人には知られたくない過去とか? いろいろあるし深くは追求しなかったけど。
「ここだ」
いろいろ考えているうちに着いた様だ。
ドアの上には“能力者研究施設”と書かれたプレートがある。
そして最高責任者の欄には泡沫 朱雀と書かれていた。
「でも先生。これ、指紋センサーじゃん。どーやって入るんだよ?」
すると先生はスーッと大きく息を吸い込むと、
「朱雀!! 俺だ。笹田 魁斗だ!!」と大声で呼んだ。
「うるせぇな、魁斗。言われなくても開けるから少しぐらい待ってろや」
低い声と共にドアが開いた。
中にいたのは銀髪のツンツンした髪の背の高い青年だった。
黒いシャツの上に白衣を着ていた。
いかにも科学者や研究者のような格好だった。
部屋の中へ足を踏み入れれば消毒薬の強い匂いが鼻を突いた。
「すっげ……」
中には彼の部下と思われる若者達が多くいた。
「で、腕を見せてもらえるか?」
俺は朱雀さんに左腕を見せた。
すると彼は驚いたように目を見開き俺の腕に見入った。
「これは……まさか、お前が“光を導く者”なのか?」
聞いたことの無い言葉だった。
“光を導く者”
それがこの蝶と十字架の痣が示すモノなのだろうか。
よく分からない事だらけの今の状況。
混乱する頭。
でも、
一つだけ分かることがあった。
きっとこれから俺の運命は変わり出す。
きっと……——