ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 鎌鼬と夜空 ( No.1 )
日時: 2010/01/27 09:23
名前: AQUA ◆ZdPdHqmtMA (ID: cYSZrqDn)

一話[池袋と夕焼け]

東京都豊島区池袋

繁華街のネオンが夕焼けの空を挟む
人混みの中を宛先無く進む
漂う煙草の煙
すれ違う中年から酒の臭い
若い女性の化粧の香り

空気が息苦しい

繁華街から角を曲がると薄暗い細道が広がる
オレンジ色の空は変わらなかった
「よぉ、東野祐也」と言う声が、背中の方から聞こえた。
振り向くと21歳の男が立っていた。
「相変わらずフルネームで呼ぶなんてウザいよ〜、しゅうちゃん」
俺の目の前に立つ男はしゅうちゃん言、長谷川修平
「いい加減あだ名で呼ぶな、テメェこそウゼェよ」
「そんなことどうでもいい、何の用?」
「用?たまたま見かけたから殴りに来たんだ」
訳の分からない理由を付けて何時も殴りに来るのが長谷川だ
「そんな理由で殴られたか無いよ〜、理由に成って無いけどさ」そう言うと石を長谷川に投げる
石は長谷川の目の前で破裂して、長谷川の目の前には白い煙が漂う
「やられた!また煙玉か!」
毎回祐也は長谷川に会うと煙玉を投げて逃げているのだ
煙が晴れると祐也は既に居なくなっていた
「何時になったら的もに戦うんだよ」
長谷川は空き缶を蹴り飛ばして繁華街の人混みの中へ入って行った
一話終