ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 多重人格— ( No.3 )
日時: 2010/01/28 23:00
名前: 來空 (ID: faSasGNm)

01—


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「タ…スケ…」

君がそう言ったのは激しく雷が鳴る雨の日だったね。
僕は、そんな君を初めて会った君を不思議と知りたいと思った。
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「っはよ。」

僕は、君に挨拶をかわすが返答はない。
ただ、遠くを見つめている君にはきっと僕の声は届いていないのだろう。

あれから、一週間がたつ。
公園でびしょ濡れになっていた君は誰かに助けを求めていたから…
誰かに側にいてほしそうな顔をしていたから…
僕は1人暮らしのアパートに君をおぶって来たんだよ?
だけど、君は喋らない。

「朝食、此処置いとくから。」

1人にするのは少し不安だから僕は学校を休んでいる。
君は返事をせずに朝食を食べ始める。
ふと、ドレッシングを手を伸ばしてとる君の手には
無数の傷跡…無数の英語の文字…

「それ...傷、どうしたんだ?」

考えもしないで聞く僕。
キッと睨む君。
やっと此方を見てくれた君は何処となく悲しそうで
僕は、何も言わずに近づいて袖を捲り上げた。
肩まである英語の文字、傷跡。
とりあえず、消毒液と包帯を持ってきた。

「..に..する…ほっとけ...だよ。」

喋った。その時君はやっと僕に話した。
僕は嬉しくて微笑んだ。
だけど、やっぱり悲しそうな君の表情。

「なにするんだよ。ほっとけよ、うざいんだよ。」

怒鳴られた。だけど、君は泣いていて
その涙は赤くて、僕は拭った。
血を流す君の瞳...また、気になって仕方がなかった。

手当てをしている時に聞いてきた君。

「俺が、怖くないのか…?」

不思議そうに僕は見た。

「うん。ってか、女の子なんだから俺って言うな。それと、名前は?」

名前を聞いていなかった。
ご両親は何となく聞かない方がいいと思って聞かない事にした。

「知らん。名前なんか...知らん。」

ご機嫌斜めだなー。
手当てがが終ってから、頭をポンッとすると僕は

「君の名前、梨杏ね。」

勝手に決めて勝手に満足する僕。
まだ、梨杏の過去は深くってそれだけで満足する俺は超幸せ者で
お気楽なんだ。