ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕等の図書館 〜1話目UP〜 ( No.6 )
- 日時: 2010/10/09 19:31
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: csh0v7TN)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?520242
参照100突破記念のイラストです。
幽美のハロウィンのイラストです。
よかったら見てください。
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あ、そういえば、なんですけど。
先程、館長が本を買ってきてくださったんです。
いつもはあんまり買ってきてくれないのに……。
お客さんがたくさんいらしたから、機嫌を良くしたのでしょうね。
この本は、ハロウィンの話が書かれているようですね。
せっかくですし、読んでみますか。
貴方も、よければそこで聞いてみてはいかがです?
10月31日。この日が何の日か、知らない人はごく少ないと思います。
そう、ハロウィンです。
本来、仮装をして悪いものを寄せ付けないための行事なのです。
ですが、時がたつにつれ、仮装をしてお菓子をもらう。または、お菓子をもらえなかったらいたずらをする、という行事になりました。
さて、この話は、そんなハロウィンの日の話です。
街はお菓子をねだる子供の声で、他の音が聞こえませんでした。
子供はお菓子をもらっては、喜んで声をあげ、お菓子がもらえないときは背中に紙を貼ったりして、遊んでいました。
そんな中を、一人の少年が歩いていました。
その少年は仮装もせず、お菓子も持たずに、街をぶらぶらと歩いていました。
その男の子を見て、金髪の天使の様な少年が小走りでこちらへ来ます。
そして、男の子の手をつかみ「trick or treat!」と言いました。
男の子はびっくりしながらも、ズボンのポケットの中に手を突っ込みます。
ですが、ポケットは空っぽです。
「ごめん。お菓子、持ってないんだ」
男の子が申し訳なさそうに俯き、そう言うのを見て、少年はニヤリと笑い、風船を配っているピエロのところへ走って行きました。
男の子はいたずらでもされるのかと思いましたが、どうもそうではないようです。
男の子は安心して、自分の家に走って帰って行きました。
家へ帰ると、家の真っ白な絨毯が、何故か赤い絨毯に変わっていました。
男の子の母か父が、絨毯を変えたのでしょうか?
それに、何故だか、とても静かな感じがします。
不気味な静寂に、男の子は少し不安になりながら、リビングへと歩いていきます。
そこでは、父が寝ていました。
男の子は父に近寄り、体を揺さぶりました。
でも、父は起きません。
男の子は小首をかしげて、廊下へ出ました。
廊下へ出ると、街で出会った少年が、緑の何かに乗って、何かを撫でていました。
目を凝らして、その"何か"を見てみて、男の子は悲鳴をあげました。
少年は、緑の双頭の竜に乗っているのです。
竜の口にはかつて父"だった物"がダランと下がっていて、肉には歯が食い込んでいます。
少年の手には、父の頭らしきものがあります。
少年は口先をつりあげて、いやらしくニタニタと笑っています。
男の子は逃げようとしたのですが、足がすくみ、動けません。まるで、金縛りにあったようでした。
その後、男の子がどうなったかは書いていませんが、多分、少年のやったことは、『いたずら』なのでしょう。
お菓子をもらえないならいたずら。それって、一般的ですが、ある意味凄く怖いですよね。
皆様は、楽しいハロウィンができるといいですね。