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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 刹那 -斬- ( No.2 )
- 日時: 2010/01/30 10:38
- 名前: ポリス ◆CSZ6G0yP9Q (ID: 7m3//6LO)
第一章 呪われた国
第一話 船旅
ザザ〜ン・・・・・・・。
ザザザ〜ン・・・・・・。
波に揺られた船の中で、刹那は眠っていた。
刹那は今、父親の鈴音と母親の雅美と共に修行の船旅をしている途中だった。
ふと刹那は目を覚ますとペットとして飼っているリスの魔物のリリがお腹の上で
クゥ〜クゥ〜と愛くるしいいびきをかきながら寝ていた。
刹那はやさしくリリの背中をさすって起こし、肩の上にひょこっと乗っかったのを
確認すると愛剣の「春桜」を手にして父と母のいる甲板へと階段を上った。
「おぉ。おきたか刹那。リリも一緒か。そろそろ港につくころだから部屋の荷物を確認して
おきなさい。」
父はそういうと母と話を続けた。
「ねぇ、お父さん。そろそろってどれくらい?」
幼い刹那は父に問いかける。
しかし答えたのは母だった。
「あと2~30分くらいよ。早く荷物の確認をしなさい。リリの餌も忘れちゃだめよ。」
「はい!」
刹那はまた部屋に戻り荷支度をはじめた。リリは寝るちょっと前に食べ残したクッキーを
かじりついている。
そして一通りの荷支度が終わり、甲板へ向かおうとしたそのときだった。
グラッグラッ!
ガタガタガタガタガタ!
突然船が大きく揺れだし、部屋の本棚や机は倒れ、リリも刹那のコートのポケットに怯えながら
もぐりこんだ!
刹那はあわてて部屋を飛び出し甲板へ急いだ。
「お父さん!どうしたの!?」
「嵐だ!みんな部屋へ隠れろ!お父さんは帆をたたむからな!」
しかしそういっている間に嵐はどんどんひどくなり高波が
刹那の乗っている船へと迫ってきた
「伏せろ〜〜〜〜〜〜〜!」
思わず父は声をあげた。
反射的に刹那も伏せてその上に母がかばうように覆いかぶさった。
そして船は波に飲まれた・・・・・。
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