ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: されど兎は染まらない ( No.2 )
日時: 2010/01/30 18:41
名前: 宵子 ◆OKoRSyKcvk (ID: X5qqmbM.)
参照: よいこのイントネーションは芸人のよゐこさんと同じだったりー

story-00【されど彼女は記さない】


 私の話をしよう。
 私の名前は帝見杏子。勘違いされそうだけど、平仮名だと、みかみあんね。
 ……いつも子という漢字のせいか、あんずとかあんことか、そういう間違いが起こりやすい名前。間違いが多いけど、何気に気に入ってる。

 実はこの名前は、お父さんが名付けてくれたものだったりする。
 「杏子って名前を考えた俺は天才だな」なんて、小さい頃には笑いあった記憶が残ってる。
 だけどそんなお父さんは、もう他界しちゃった。
 もう5年前のことだけど。

 ……あ、ごめんごめん。重苦しい雰囲気にさせるつもりは無いよ? ちょっと昔を思い出しただけだって、いやホント。
 まぁまぁそんな顔しないでよ。
 まーつまりさ、私が言いたいのはたった一つだけなんだって。

 単刀直入に言うとね————————この『実験都市(シミュレーションシティ)』は、幸せなものなのか。ってこと。