ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re:   フレーザーの友達 ( No.3 )
日時: 2010/02/09 17:25
名前: バハムート (ID: 3Oig7PbJ)

 棚に飾っていた皿が一枚、床に落ちて、砕けた。
「うわっ、ちょっと気をつけてよ!」
「ラズは大きいからな、そう怒るな」

 少年こと川崎 シンはちりとりを使って破片を集める。

「で、なんで僕んちに来るの?」
「興味があったから、だな」
 フレーザーはそういうと、近くの巨大な毛玉を撫でた。

「その毛玉、何とかしてくれないと今日皿なしでご飯食べなきゃいけなくなるよ」
「毛玉ではない、ラズだ。さっきも教えただろう?」
「あーはいはい。その巨大ネコ何とかして」

 ラズと呼ばれた大きなネコのような生き物は、これ見よがしに伸びをする。

「・・・・・・なんかむかつく」

「で、シン。私が何者だか知りたいか?」

 シンはちりとりを片付けると、居間のソファーに座った。
「特に気になる訳じゃないけど、聞いとかないと話がすすまなそうだから聞いとくよ」
「・・・・・・不愉快だ」
と言いながら、フレーザーもソファーに座り足を組む。

「私達は人間ではない」
「それは見た感じで分かる」
 シンはひらひら手を振った。

「・・・・・・私達はこことは違う世界から来た。平行世界。異次元。どんな呼び方でもいい」
「じゃ、なんで来たのさ。それにさっき、"私達"って言ったよね?」
「そうだ。ここに来たのは私一人ではない。他にも何百人、何千人も来ているはずだ。何故来たかというと・・・・・・」

 ここでフレーザーは一息ついた。

「なぜ来たかというと、それは人間を止めるためだ」
「?なんかやばい事しようとしてるっけか?」
「しているとも。もう何年も前からな!」

 すると、ラズが同意するように喉を鳴らした。

「人間の好き勝手な振る舞いのせいで、こっちの世界まで影響が及んでいる。このままではこっちの世界が狂ってしまうと、学者達は言うのだ。」
「ふぅーん。で、人間をどうゆうふうに止めるわけ?」

 フレーザーは、待ってましたとばかりにニヤッと笑った。

「さっきのように、眠らせるのだ。長い間、な」