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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ___光に潜む闇 ( No.3 )
- 日時: 2010/02/02 23:31
- 名前: 夜那〜yana〜 (ID: k41H6VkA)
第1話
腐った世界。
醜い人間共。
俺はその光景を毎日見てきた。
今日が終われば明日が来る。
明日が終われば明後日が来る。
その繰り返し。
「……」
学校の屋上は、腐った世界のほんの一部が見える。
人々は玩具のように同じことを繰り返す。
「翔影?」
「……何?」
俺の隣で壁に寄り掛かり遠くを眺めている少年。
天宮光晴。
俺の友達、いや同じ力を持った家族だ。
「アレ、殺していい?」
「……好きなようにしろ」
光晴は視線を投げかける。
その先には真っ黒な胴体をしたカラス。
アレに目掛け光晴は指を鳴らした。
—パチンッ
静かにその音は響く。
カラスの最後の鳴き声。
カラスは一瞬にして氷ついて虚しく砕け散った。
「お見事」
「どーも」
屈託の無い笑顔を向ける光晴。
人懐っこいような笑顔からはまるで元気と印象を与える。
「光晴」
「あっ、鳳」
空中に立ってる藍色の髪の少年。
柳ノ条鳳。
こいつも俺の家族同然。
「……ダメ」
「何が」
「………」
「うん。わかった」
どうやら、光晴は鳳の無言の訴えが通じるようだ。
俺にはサッパリ。
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