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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 逃亡中事件簿 ( No.10 )
- 日時: 2010/03/14 20:14
- 名前: nanasi (ID: lerfPl9x)
二章 その七 ミィは変人
「……軽業師?」
「軽業師ってわからないですか?意味」
こくりとうなづく。
かるわざきし(正しくは刈羽崎市)ならわかるけど、軽業師って?
「軽業をする人のことですよ」
さらさらと軽業師の娘は答えた。
「…………」
私は何も言わない。
「もしかして軽業も知らないんですかぁ?????」
こくりとまたもうなづく私。
だって知らないもん!
頭を抱えるみぃ……。
「綱渡りとか空中ブランコとかやる人のことですよ……」
うんざりするように、しょうがなさそうに、ミィはそうつぶやいた。
ミィちゃん、ついに完全にダウンしてしまった。
ダウン?落ちる?飛ぶ?学校?学校!!
「遅刻しちゃうよ!」
ミィにあせって怒鳴る。
ここまで命を危険にさらしながら来たのに、ここで遅刻したらただのバカじゃん!!
「行くよ」
ミィの腕を私はガシッと、つかみ走った!
ミィはひきづられて行く(私が足音を立てるたびにザーザーとがーがーと、ミィが引きづられる音がたつ)
ってちょっとまった
玄関ってどこなんじゃい!!
「みぃ!玄関どっち」
「あっち」
ミィは苦しそうに右側をさした。
そしてそっちに走ろうとして思い至る。
ミィは変人で今はダウンしている
私は何の迷いもなく左に走った
しばらくしたら玄関が見えてきた
私の心の中にあるひとつの鉄則が刻まれた
いざと言うとき変人を信用してはならない
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