ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 逃亡中事件簿 アンケート中(オリキャラ募集中)追加質問有り ( No.114 )
日時: 2010/03/11 19:53
名前: nanasi (ID: lerfPl9x)

二章  その参拾七  ラッシュラッシュラッシュ

その後私たちは恵比寿で反対方向の電車に乗り換え、新宿の方に進んでいった。

反対方向の電車を待っている間五月の乗ってくると思われる電車は来なかったので、セーフって感じだ。

ミィちゃんも機嫌直したみたいだし、一件落着って感じの気分になり、私もちょっとたるんでいたかもしれない。

『次はぁ〜新宿、新宿に到着いたします。お忘れ物にご注意ください。次は新宿』

ガラガラとしたオジサンっぽい声の車内アナウンスが流れる。

「新宿で降りるの?」

私は不安げにミィちゃんに聞いてみる。

「うん。新宿で降りて、他の電車に乗り換えるの。えっと、たしか総武線っていうの。その電車。どうい・・・・・・。」

楽しそうに総武線の説明を始めようとするミィちゃん。なんか話が長くなりそうだからとめよう。

「わかった、わかった。次で降りるのね。」

「ええ。つまりはそういうこと。」

ちょっと不機嫌そうにそう言った。総武線について話すのを止められたのが嫌だったのだろうか? 

あっ、ていうことは本当は電車マニアだったりして。って、そんなわけ無いか。証拠みたいなの無いし。

そんなことを考えていたらいつの間にか電車は新宿駅についていた。

目の前にあったドアが開くと、その車両内にいたかなりの人数の人が急にドアに向い始めた。

私はその光景に驚きながらも人波に引き込まれミィちゃんとはぐれないように、必死にミィちゃんの手をつかんだ。

っていうか、握っていた。

「降りるよ!」

ミィちゃんはやや強めの声でそう発すると、私の手をいきなりぐいって引っ張った。あの時のように。

そのおかげで私は人波の中からどうやら脱出することができたようだ。

だけど、今度は反対方向から来る人たちだった。その人数もまたとてつもなく多くて、やはり驚いた。

この時間がラッシュといわれることを知ったのはまたもうちょっと後の話だ。

とにかく、また人波に飲み込まれそうになった所を今度は急にミィちゃんは私の手を引っ張った。

私はその力に従い進んでゆく。すると今度こそやっと人波からはずれ、ホームに出れたようだ。

「ミィちゃん・・・ハァハァ・・・サンキュー。」

私は、かろうじてそう言った。電車という乗り物が嫌いになった。物凄く。もう絶対乗りたくないレベルに。

「どういたしまして。慣れてるから」

そうにっこり笑いながらミィちゃんは言う。この状況にてミィちゃんは笑ってる。

「んじゃ、中央・・・・・・じゃなくて総武線を目指そう〜」

そういってまた私の手をぐいぐいと引っ張って行くミィちゃん。やはり元気だ。

私はひきづられるようにホームを歩いていった。

その時少しきょろきょろと周りを観察しながら。

今回はそれが功を制した。私は視界の端に見つけたのだ。             かつての親友の姿を