ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 逃亡中事件簿 アンケート中(オリキャラ募集中)追加質問有り ( No.126 )
- 日時: 2010/03/14 19:36
- 名前: nanasi (ID: lerfPl9x)
二章 その四拾 ミィちゃんですが何か?
心の中にあの日の惨劇が一瞬よぎろうとしたが、私はそれを止めた。
今は過去の思い出に浸っている場合じゃない。なんとしてでも、友江から否あいつから逃げ切らなければ!
「じゃあ行くよ。素直に親友のために……」
「よくもそんなことぬけぬけというじゃない!」
私は声を張り上げた。怒りとか戸惑いとか恐れとかとにかくいろいろなモヤモヤとした気持ちをのせ。
さっきまでのやり取りには全く無関心そうにしていた周りの人々の視線がこっちに集まるが、そんなのどうでもいい。
気にしている余裕なんて正直無い。私は続ける。
「自分の金のために、人に友達を売り渡すなんてそんなことよく言うじゃない!そんな友江とは友達じゃない。
そんな友江はもう私の友達でも親友でも無いただのクズにしか過ぎない!」
私はそうまくし立てて一気に腕をひねった。友江に掴まれている方の手を……
そうすると友江がこっちに引き寄せられる。そのままぐるっと腕を回した。
めちゃくちゃ痛いけど頑張った。重いけど私は頑張った。そしたら、あせった友江は手をパッと離した。
私の火事場の馬鹿力の強さを知っていたからこその懸命な判断だ。
そして、私は逃げる。とにかく逃げる。走る走る走る。
友江も追っかけてくるが全然私には追いつけない。火事場の馬鹿力最強!ビバ馬鹿力。
そんなことを思いながら私は走る。
そして、たまたま私のしかいないにある一人の少女ミィちゃんが入った!
「ミィちゃん! 友江が追ってくる。逃げよ!」
私は必死で叫ぶ。するとミィちゃんは私の背の方に目を向ける。そして、一言。
「友江さん始めまして。そして、
さようなら。」
ただ、ミィちゃんはそれだけ言った。その次の瞬間私の目の前にミィちゃんはいた。
そしてそのまた次の瞬間にはいなくなっていた。振り向いてみると、そこには倒れている友江がいた。
そして、私の左隣にはミィちゃんがいた。
「えっ」
私には何がなんだかわからなかった。
「ミィちゃん? 」
とりあえず私はそう聞いてみる。すると、ミィちゃんは笑いながら答えた。
「はい、ミィちゃんですが何か?」
その笑顔はいつもの花の開いたような笑顔とは微妙に違うことを私はなんとなく気づいたがまだ無視ししていたかった。
そのことを。