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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 逃亡中事件簿 アンケート中(オリキャラ募集中)追加質問有り ( No.127 )
- 日時: 2010/03/15 19:11
- 名前: nanasi (ID: lerfPl9x)
二章 その四拾壱 幕間
「さっ、総武線にのろ!また追ってきそうな勢いだから。まぁ、十分は動けないだろうけど」
明るく、いつもどおりにミィちゃんは言う。
「うん。そうだね」
私はとりあえずそう相槌を打つ。どう反応すればいいのかさっぱりわからなかった。
まぁ、多分ミィちゃんは私をまた引っ張って行くのかなぁ〜、何てことを心の隅で考える。
だから、私はとりあえずミィちゃんにすぐ掴んでもらえるような位置に手を動かす。だけど、当てが外れた。
「どうしたの?八月、心ここにあらずって感じだよ?」
ミィちゃんはそう聞いてきた。とても悲しそうに。心配げに。
嗚呼、そんな顔しないでよ。私なんかのために。
ミィちゃんには花の咲いたような笑顔が似合っているんだよ。
だから、笑っててよ。笑っててよ。
「大丈夫。ボケっとしてたけど、なんか、嗚呼もうよくわかんない! けど、とにかく行こう。進もう」
私はそう言う。まだ心は戻ってきていないけど、そういう。
「本当に大丈夫なの?」
ミィちゃんは私を見上げて聞く。上のほうに結ばれた長い二つ結びの髪の毛が揺れる。
「大丈夫。とにかく少し、考えたいの」
私は静かに、笑いながら答える。
心配しないでよ。そんな顔しないでよ。大丈夫だよ。
だけど、ありがとう。心配してくれてありがとう。
「うーーーーーん。心配だけど、またあの子に復活されたらめんどくさそうだよね。じゃあ、電車のろうか」
どこか気を使いながら、ミィちゃんは言った。
「うん」
私は笑みを浮かべて答えた。
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