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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 逃亡中事件簿 アンケート中(オリキャラ募集中)追加質問有り ( No.131 )
- 日時: 2010/03/18 18:38
- 名前: nanasi (ID: lerfPl9x)
二章 その四拾四 嵐の前の静けさ
「いい?この後の道は複雑だから、私から離れないでね」
ミィちゃんはそう言うと、私の手をまたもにぎり、ゆっくりと歩き出した。
「了解だよ〜」
ミィちゃんの言葉に私はちょっと遅れて言葉を返す。
水道橋の町並みは私の住む町ともあまり変わらない。家やら商店街やらいろいろある。
だけど、その水道橋の様子はサーカスのテントとはあまりにもイメージがかけ離れていた。
「本当に水道橋なの?」
私はちょっと不安になってミィちゃんにそう問いかける。
「うん。イメージが合わなくて少し戸惑ってるんでしょ? だけど、ここであってるよ!」
明るい感じでミィちゃんは答えてくれた。だけど、顔は長い二つ結びの髪に隠され、表情はまるっきし分からない。
まぁ、そんなふうに他愛も無いような会話をしながら私たち二人は歩いていく。
本当にこの時は平和だった。だが、後から思えばこれは嵐の前の静けさってやつだったんだと思う。
ふと、背後から何者かの気配を感じた。
なにか、危険が迫っているような気がする。
そういえば、さっきからミィちゃんは人気のない道を選んできたように見えるほど、道には人がいなかった。
そのことに気づき私の中でさらに危険が迫ってる感が強くなる。
“何かが起こる“
私が本能でそう感じ取り振り向いたときそれは飛んできた。
銀色の刃を光らせるそれは——
私はとっさにしゃがみ込んでよける。
嵐がやってきた——
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