ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 逃亡中事件簿 アンケート中(オリキャラ募集中)追加質問有り ( No.139 )
- 日時: 2010/03/21 18:01
- 名前: nanasi (ID: lerfPl9x)
二章 その四拾六 先攻 助さん
私たち二人は、助さん格さんに背を向け走り出した。
「そうですか。それは残念です」
背後から助さんの声が聞こえる。改めて五十代だなと思わせる声だ。
その声の悲しそうな気配から逃げられると思った。だが、甘かった。
「がな、俺たちはよぉ娘さん。もう一つ頼まれていることがあるんだ」
格さんはちょっと格好をつけて言う。やはり、助さんより若いなと思う。
だが、そんなのはもうどうでもいい。そのもう一つ頼まれていることがあると聞いて、体中に悪寒がはしっているのだ。
いやな予感がする。すごく。
そう言えばこの二人は昔から一筋縄ではいかなかったことを思い出す。
「それはだなぁ、もし俺たちの言うとおり屋敷に帰ってこなかったら
無理やり連れて帰れって言うんだよ。俺らのご主人さまは。
し か も 、多少の怪我ぐらいなら負わせていいんだってさ。ということで、
手加減しないぞ?それでもいいか?」
その一言を合図に私たちは速度を上げた。
「おっと、娘さん。逃げますか?なら、助さん、よろしく」
そう言った瞬間、やはり背後からまたあの、刃の気配がした。
私はミィちゃんの方にさっと寄る。
またスレスレのところを刃が通って行く。
「覚悟して下さい」
格さんが静かに言う。
私はちょっと不安になった。ミィちゃんが今日は一緒にいるのだ。ミィちゃんを危険にさらせない。
だから今日は逃げるしかない。
私はミィちゃんの手をって、ミィちゃんは?
私の手には何も握られていなかった。ミィちゃんはいない。
ちょっと眼だけで探してみようとすると、また刃がってあれ?気配が消えた。私はつい振り返る。
「ミィちゃん!? っていうか、刃が! 」
振り返るとミィちゃんがいたのだ。しかも、刃が飛んできている。だけど、ミィちゃんはそんなの気にしてない。
「ちょっと、刃が! 」
ミィちゃんはやっと気づいたようにこっちを向いた。そしたら一瞬やさしく笑って、また元の表情に戻った。
すると、ミィちゃんの手がさっと動いた。そして、刃を手で取ったのだ。人差し指と親指でつまんだのだ。
そして、無言でその刃を投げ返した!!
向こうもこんなことを想定してなかったようだ。しかも、その刃のスピードはかなりの速さだ。的確に目を狙っている。
「うあぁっぁあ」
助さんはたじろぐ。勝ったと思った。でも、まだ格さんがいる。
「なめんなよ? 」
格さんはポケットの中から……爆弾!?