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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 逃亡中事件簿 ( No.14 )
- 日時: 2010/03/14 20:24
- 名前: nanasi (ID: lerfPl9x)
二章 その九 苗字がかき消された!?
「はーい。みんな静かに座ってぇ〜」
野田先生の声が教室に響く。
そしたら私のクラスメイトになるべき人たちは静かに座った。(お!さすが名門女子学校)
「では、これから朝のホームルームを始めマス☆」
なんか、丁寧語がカタカナに聞こえる・・・。
「えーと、今日はぁなんとぉ!転入生が来ていマス」
廊下には、先生の声だけが届く(さっきみたいにドアについている窓からのぞくわけには行かなかった)
っていうか朝のあいさつ完全にすっ飛ばしましたね。
「では、はづちゃん。入ってきてぇ!」
いたって明るく、野田先生は言う。
なにそのはづちゃんって(背筋がスーとする)
先生のネーミングセンスを疑いますよ!
でも、入らないわけにはいかなかったのでしょうがなく入った。
トットットット
足音がたつ。
私が先生の近くにたどりつき、そのクラスの少女たちと向き合うと、野田先生は言った。
「えっと、自己紹介をどうぞぉ」
いきなり自己紹介!?
ちょっとあせる……
「私の名前は——八月です。漢字ではこう書きます」
苗字の部分の声が何かにかき消されるって……何か!?
さっきの音を思い出す。
……悲鳴だよ。絶対に悲鳴だ!
教室の空気が何かザワザワしている。
「ねぇ、今の声。笹木さんだよね」
「ええ、きみちゃんだよ・・・」
「そういえば、未絵いないよね。」
「もしかして・・・また?」
少女たちは小声で話す。
胸騒ぎが止らない。ヤバいよ。おかしいよ。
笹木未絵。通称きみちゃん。彼女は第三の被害者だった。
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