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Re: 逃亡中事件簿 ( No.29 )
日時: 2010/02/19 18:31
名前: nanasi (ID: XTwzLzPc)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?379009

二章 その拾四  優秀な生徒

「お帰り。」

「元気?」

「無事?」

「きみちゃんは?」

「生きてるよね?」

「えっもしかして死んでるの?」

「きみちゃん死んじゃったの?」

「どうだったの?」

「それともきみちゃんじゃなかった?」

「ねぇ、答えてよ。」

みんなが私を質問攻めにする。

「死んでた・・・。」

私はボソッといった。

「四時間目は音楽だけど、それ以外の授業は自習だって・・・。」

みんなが急に静かになった

自習といわれたら自習なんてほとんどの人がやらない。

はずだ。普通。

ずっとしゃべってるはずだ

なのに・・・

なのに彼女たちはみんなそろって自習をしだしたのだ

「しゃべらないの?」

私はその自習している一人に聞いてみた。

「しゃべったら、私たちもう本当に優秀な生徒でいられなくなるから。」

「えっ?」

優秀な生徒でいられなくなることなんてどうでもよくないの?

普通に今話すことのほうが大切じゃないの?

「八月さんはまだ知らないよね。転校生だから。ここは、お嬢様学校なの。だから・・・


優秀でないとここにいられないの


先生のいうことをよく聞いて勉強ができて校則をしっかり守れる少女じゃないとここにいられないの。」

彼女は続ける

「このクラスは昔あともう一人生徒がいたんだけど彼女こっそりマニキュアをしてきたの。

そしたらそれがその日のうちにばれて次の日彼女が登校したらそこに席はなかった。

私たちも辛かったけど彼女を無視した。これでもう彼女はここを追い出されたの

だから・・・優秀じゃないといけないの。私達は。あなたも。いい?」

こくり。

そう私はうなづいた

キーンコーンカーンコーン

チャイムが響く。

すると彼女の中の一人がとうとつにしゃべり始めた。

「これから、魔女裁判を行う。」

その時気づく。これが本物の彼女たちなんだ。

地獄の中休みがスタートした。