ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 逃亡中事件簿 —アンケート中(オリキャラ募集中?)— ( No.43 )
- 日時: 2010/02/22 21:33
- 名前: nanasi (ID: XTwzLzPc)
二章 その拾級 魔女裁判 —質問—
キーんコーンカーンコーン
「これで授業を終ります。日直の人。挨拶」
そう鋭い声で叫ばれ本日の日直、菱身さん(いつもおびえてる。犬みたいな人)
が、おどおどしながら、
「これで・・・授業をぉ・・・終ります・・・。ありがと・・ございました。」
といい、私たちはそれに続き
「ありがとうございました。」
と言った。
これで、転校二日目の二時間目までの授業が終了した。
もっとも、昨日はほとんど授業なんてしてないんだけどネ。
まぁ、それはさておき数学の先生が退場すると早速あれが始まった。
アリスさんが立ち上がる。
そして教壇のほうに歩き始めるのと同時にクラスメイトたちがドアと窓、カーテンを閉め始める。
沙里さんも前へ行く。
やがて、完全な密室が成立するとアリスさんが
「これから魔女裁判を行う。」
と言った。
「今日は、質問の時間です。被告人、被害者。ともに前へ来てください。」
重苦しい空気が漂う中二人はおもむろに立ち上がり前に出る
「では・・・、質問がある方は手を挙げてください。」
アリスさんは言う。
沙里さんは今日は書記でもやるのだろうか、鉛筆を構えている。
だけど、こんな重苦しい空気の中質問を行えるほど神経の太い方は教室にいないのだろうか。
だれも、手を挙げない。
音さえも全くたたない。
「では、私が質問します。どういうことを行いましたか。」
「た・・・とえば。机の中にゴミを入れたり・・・。例えば・・・机とかに落書き・・・したり。物隠したり・・・。」
途中つまりながら本郷さんは言う。
「ミィさん。あっていますか?」
「はい・・・。だけど、もっとひどいこともされました。」
「たとえば?」
「・・・。この右手首の傷とか・・・。」
そうミィちゃんが言う。
いじめ・・・
なんてひどい
あんなきれいな無垢な少女なのに
なんで、あんなにきず付いてるのだろう?
なぜ、あんなことができるのだろう?
私はあなたを何があっても受け入れる。
受け入れられる
友情なんて信じるなって言われたけど私は信じたい。
カリカリ。
沙里さんの鉛筆の音が響く。
「他に質問のある方は・・・」
私は静かに手を挙げた。
音を立てないように注意しながら
「はい、はづきさん。」
「ミィさんに質問です。あなたは・・・あなたは、本郷さんが謝れば本郷さんと仲直りできますか?
普通のクラスメイトに戻れますか?」
ここでする必要がある質問かはわからない。
普通に雑談しているときに行っても良かったはず。
でも・・・今しかないんだ。
今しか伝えられない
私の今の気持ちは
今も伝えられてるかわかんないけど
だけど・・・今だけなんだ。チャンスは・・・
「・・・。難しい質問ですね。多分・・・私はできません。神様ではありませんから。」
そういいミィはにっこり微笑む
とても美しく微笑む。
そうか。
これが彼女か
「ありがとうございます。」
「他に質問がある方は・・・いませんね。では・・・
これで魔女裁判を終ります。」