ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 逃亡中事件簿 アンケート中(オリキャラ募集中)追加質問有り ( No.70 )
日時: 2010/03/01 20:29
名前: nanasi (ID: XTwzLzPc)

二章 その弐拾六  そう——それはあの場所にあった

「あのすいません。雅さんいませんか?」

私は1年2組のドアのところで、私がドアを開けたことでやってきてくれた一年生だと思われる少女にそう言った。

「あっそれ私です。」

そういうとその少女、雅さん、第一事件の腹部の第一発見者は言った。

「ちょっと、来てくれる?話があるのだけれど・・・」

私はそう彼女に聞く。ここで断られたらおしまいだ。お話にもならない。

「いいですよ。暇ですし。だけど、どこへ?」

どこへ?・・・考えてなかった。ちょっと窓の外に目を向けてみる。

そこにはちょうど、裏庭があった。

「裏庭かな?」

「わかりました。いきましょう。」

彼女は無垢な笑顔でそういった。かわいらしい笑顔でそう言った。

そして、裏庭まで二人並んで歩いた。

だけど、一言も会話を交わさなかった。

気まずいわけではないんだけど、なんとなく、なんとなくしゃべりにくかった

気づいたら、もう靴箱の前だった。

私たち二人は学年が違うのでそこで分かれる。

その時もまた、一言もしゃべらなかった。

そしてまた気づいたときには裏庭のベンチに二人並んで座っていた。

周りには人は虫一匹も・・・いた。足元にアリが歩いていた。

「それで、ご用件は?」

雅さんは私に丁寧に聞いた。

「事件のことなんだけど・・・」

「わかりました。だけど、早く聞いてくれませんか?あの光景早く忘れちゃいたいんです。」

「わかった。じゃあまず最初の質問、その腹の部分にはナイフ・・・家庭科室にあるようなナイフが刺さってた?」

「はい、果物ナイフでしたね。」

無表情で答える雅さん。・・・あんま辛そうじゃない。

「ありがと、次行くね・・・・」

「ってちょっとまって。なんで、なんで腹部が発見されたことを、私が見つけたことを知っているの?

 そのことは、極秘のはず。騒ぎになってはいけないから。ねぇ、なんで知っているの?」

ウッこのこい外と頭が切れる。

確かにそうだった。さてこの最初の障害をどうやって越えよう?

しょうがない。正直者になるか・・・

実は、私学園長先生に頼まれてこの一連の事件の犯人を捜しているんですよ。

「金で雇われて?」

ええ。

「じゃあそんなことなんでわざわざ私に聞くの?先生とかそういう人に聞けば・・・」

あの人たちはあんまり信用できないの。だから、あなたに聞くの。ンじゃ次の質問行くね?いいよね?

「ええ。」

あんまり気が進んでる感じは無かったが雅さんは答えてくれた。

だけど、その後はすらすらと答えてくれた。

では、次。あなたはそれをいつどこで発見した?

「体育館の横の倉庫で、、体育の授業が終って道具を片付けたときに」

それを発見した生徒の人数は?

「私一人。」

なぜ?片づけをするのは一人じゃないはずなのに。

「みんな変なにおいに気づいて片付けたらすぐ倉庫から離れてったから。

 だけど、私は興味本位でそのにおいをたどったのよ。そしたら・・・」

わかった。じゃあ発見したあとつぎにどうした?

「先生を呼んだと思う。とりあえず担任の先生・・・いや、体育の先生だったかも」

わかった。先生を呼んだのね。じゃあ、その先生に現場を見せたとき先生は始めてみたというようだった?

「ええ、あの驚き方は多分、やはり、初めてよ。」

わかった。ありがとう。帰っていいよ。

「いいんですか?あなたも帰らなくて・・・後三分で休み時間終りますよ」

「あら本当?じゃ、私も帰るとするか。」

私たち二人はゆっくりと立ち上がった。

「では、」

「じゃあね」

ゆっくりとゆっくりと二人は歩く。

その間もまた一言もしゃべらないのだ