ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 生神の唄。 ( No.2 )
日時: 2010/02/12 17:32
名前: 飛羽 ◆8sQ7Zb2MTg (ID: udG14aXH)

=1= きまぐれ
                                                                                                                「柚姉さまー。此処が地上ですか?」
                                                                                                                 そう問いかけているのは灰色の猫。                                                                                                                                しっとりとした灰色の毛。空の様に青い瞳。                                                                                                                                「なんだ、見た目は普通じゃないか」だなんて思わないでください。
                                                                                                            実は、背中には白く可愛らしい羽。胸には三日月のペンダント。何故か鈴まで付けて。                                                                                                                                お分かりになりました?明らかに、ただの猫ではないのです。
                                                                                                                            「柚姉さま?どこ行ったんですかー。姉さまー」
                                                                                                          棒読みに近い言い方。だが、これでも必死に叫んでいるのだ。                                                                                                                                ポツンっと一匹残された猫。                                                                                                                                次の瞬間、ペンダントが光ったかと思うとすぐに光が消えた。                                                                                                                                いつの間にか猫はいなくなっていた。そして、何故か猫の居た屋根の上には少女が立っていた。                                                                                                                                胸元には、あの猫と同じ三日月のペンダントが揺れていた。
                                                                                                                     「ずいぶん気まぐれなご主人様です。後で説教3時間ですね」
                                                                                                          そう少女はつぶやいて屋根の上から降りていった。                                                                                                                                あの猫と同じ色の髪の毛をなびかせて。