ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 生神の唄。 ( No.5 )
日時: 2010/02/14 11:20
名前: 飛羽 ◆8sQ7Zb2MTg (ID: udG14aXH)

=2= あの子
                                                                                                               一方その頃、とある少女が空を歩いていた。                                                                                                        え?飛んでいたじゃないかって?                                                                                                        いやいや、違うんです。その少女には天使のような羽もなく、足にロケットのようなものもないのだ。                                                                                                        それなのに、平然と歩いているのです。空を歩きながら、少女は鈴のような可愛らしい声で呟く。
                                                                                                                            「あの子は多分、悪魔になるね。隣のあの子も悪魔になるだろうなー。前を走ってるあの子は、天使かも」
                                                                                                            普通の人が聞くと意味の分からない呟き。少女からすると当たり前の呟き。                                                                                                        少女が普通の人間ではないことが、分かってくれただろうか。                                                                                                        ところで、変じゃないか?いや、少女がではない。他の人々が、だ。                                                                                                        空を歩いている少女に誰も気づかないのだ。先ほど悪魔になるといわれた二人組さえ、気がつかないなんて不思議じゃないか?                                                                                                        答えは「気がつくはずが無い」だ。                                                                                                        だって少女は生きていないから——。……ん?あぁ、スマナイ。言葉を間違えたてしまった。                                                                                                        彼女は、生きていないが死んでもいないのだ。え? 意味が分からないって?
                                                                                                                          「あー! ここに居たんですか? 柚姉さま」                                                                                                        「うん。ずっと此処にいたよ? それでどうしたの? 」                                                                                                        「帰りたいです。飽きました」                                                                                                        「わかったよ。帰ろっか! お屋敷へ」
                                                                                       この少女は、生神なのだ。                                                                                                        そして、この少女は、灰色の髪の少女と共に消えていってしまいました——。
                                                                                                                          さぁ、これから彼女たちの仕事が始まります。                                                                                                        ……よかったら見ていきませんか?