それは、遠くにあるようで、近くにある気がする。 だけど、それには絶対に手は届かないし、それは近くには無い。 無駄だと分かっていても、それに手を伸ばし必死に足掻く。 しかし、足掻けば足掻くほど、それは遠く遠く……空よりもっと遠いカナタへ消え去ってしまうような気さえして—— だからこそ、彼らは約束したのだろう。それを指差して。「また、いつの日か」と。