ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ■僕の悪神 / ( No.12 )
日時: 2010/03/02 20:19
名前: 瀬多 哉 ◆tdNM0cwS6s (ID: 0vH/svqy)

 第三部 セーレ


 何だ、この無様な光景は。
 僕の足元にある右足は、ハイヒールを履いていた。
 誰だ——?
 トラックの下にある、ちぎれた生首の顔を見た。
 
 …—————母さんだ。

 僕を、、、かばったのか?
 父さんはどこだ? まさか—死んだりしてないよ…な
 毛むくじゃらの手が見えた。 あ、まさかだった。

 家の庭には二台の車が停まっていた。
 帰ってきたのか、僕を助けてくれたのか、
 それで死んだのか、バラバラになったのか、
 トラックが衝突してかばっただけで...
 こんなにバラバラになるものなのか—?
 僕は ニュースなどあまり見ないから度が分からなかった。
 トラック同士の衝突事故では、
 「運転手が肉の固まりのよう」と聞いた事はあった。
 ちぎれるわけが分からない。
 僕は 両親死んだ事より、ちぎれた事に謎をいだいた。
 僕は悲しみがわからない、
 絶望がわからない、 親が死んでも他人事だ。
 ああ、僕ってひどい奴、と フッっと笑った。

 僕もちょっと悲しんでるのかもな、
 ああ、この状態をどうにかしないと。
 野次馬がたくさんやってきて、携帯で警察を呼ぶ人もいた。
 救急車は呼ばないみたいだな、助かんないし
 僕は面倒なので、家の中に入った。
 (親が死んだのに何だこの落ち着きようは)

 玄関で仰向けになり、何も考えずに
 天井を向いていると 
 何かが僕の横に 舞いおりた。