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Re: ■僕の悪神 / ( No.21 )
日時: 2010/03/02 20:19
名前: 瀬多 哉 ◆tdNM0cwS6s (ID: 0vH/svqy)

 何だ—、誰だよ。 警察か?
 僕の横にある『そいつ』の足を見ると、とんがった真っ黒い靴だった。
 「趣味悪ィ…」 呟いた。 
 僕が起き上がろうとする前に、『そいつ』が指を鳴らした。
 辺りが真っ暗になった。 こいつは手品師か—?
 
 暗闇の中、声だけが聞こえる。
 「ハロー、戒。」
 誰だよ、こいつ。 異常に英語(?)使いやがる。 きしょい。
 「誰」   必要最小限に喋った。
 「俺様はセーレだ。」
 「はっ...しゃれてんな」
 鼻で笑ってやった、ナルシストは苦手なもんで。(自分を様づけなので勝手にナルシストとみなした)
 「おー、しゃれてっど」 
 こいつはどこの奴だよ、方言か?それは。
 「お前、どこから来た何者?」
 「地獄からきた魔物」
 おーおー、かっこつけてやがる。 魔物なんて居るかよヴァーカ。
 …と内心思ったが、言うのは幼稚いので
 「だから名前、セーレなんだ。ピッタリだね。」
 「ああ。お前が話が分かる奴でよかったよ。」
 ぜんぜん分かってませんけどね、本当は。
 セーレとは、移動したり物を運んだりする事が出来る悪魔の名前だ。
 瞬きする間に世界を渡れるすんげーやつだ。(のはずだ。)
 本来は優しいはずなのだが、セーレが言うには俺様は特別で優しくない。らしい
 僕は悪魔などには興味があって、ここらへん詳しい。
 説明はこれくらいにして、そいつの顔が見たくなったので、電気が点くよう念じた。
 
 パッと明るくつくその光に照らされ、うつしだされたのは—

 醜い白い顔をして、つり上がった目元。
 鼻の位置には穴が二つ開いていて、口には牙がぎらついていた。
 悪魔だった。 本物の。