ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ■僕の悪神 / ( No.22 )
- 日時: 2010/03/02 20:20
- 名前: 瀬多 哉 ◆tdNM0cwS6s (ID: 0vH/svqy)
悪魔か… 意外といるんだな。 僕の予想は通じないね。
僕はあまり驚かなかった。 いや、おどいたな、これは。
「何だ、驚いたか。お前は俺の正体を知った上で話してると思ってたぞ。」
セーレが僕を軽くあしらう。
「人間ですから」
僕は苦笑しながら答えた。
「そんで、セーレさんご用は?」
「お前をかっさらっていこうと思って、な」
はい? 誘拐ですかー 悪魔さん。 僕よりいかれてますね、はい。
からかおうとしたら、セーレは持ち直して言った。
「いいか、お前の質問に3つだけ答えてやる。」
「その代わりに何かしろとは?」
「時機に分かる。」
「今のは質問に入れないでくださいよ。」
僕が軽く笑うと、「ああ」とセーレが了解した。
まず僕が始めに感じた、”もやもや” を解決しよう。
「一つ目、僕の両親に何した?」
セーレはするどいな、と笑って答えた。
「今日、お前の両親が帰ってきていてな。丁度そこに居合わせた両親が、とっさにお前をかばったんだ。
それで、ペチャンコになるなあと思い見ていたが、ペチャンコじゃお前もやる気がせんだろうと思ってな。
俺様がこっそり引き千切ってやった。」
まあ、何と残酷な。
「二つ目、セーレさんは何で僕をさらう?」
「その質問を待ってたよ。俺様たちにはお前が必要なんだ。誘拐と言うより、協力をしてもらいたい。お前がいれば、何だって出来るんだ。……サタン様もそう望んでおられる。」
サタンは…地獄(魔界)の支配者だ。すべての悪魔を統べる王…。
セーレはサタンの手下なのか。
僕が理解したと悟ったセーレは最後の質問を言えといわんばかりに、顔をしかめた。
「三つ目、…僕に…何をさせたい?」
「人間、神々、全てを。われわれのものにしたい。その、手伝い…いや、協力をしてもらいたい。」
僕は久しぶりに恐怖を感じた。
「つまり…?」
恐る恐る聞いた。
「魔界に来て、全てを滅ぼしてほしい。」
—————なんと無茶な。