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- Re: 神に魅入られし者。 ( No.16 )
- 日時: 2010/04/18 16:42
- 名前: 金糸雀 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)
† 第一章 「黒神の創った者」 第六話 †
「貴方はどうしますか?」
シャルナは鎌の切っ先を青年に向けて淡々と言う。
その時、クリーム色だった瞳は微かに黒み掛かり徐々に漆黒になっていく。
そして、体全体から出していた黒いオーラがシャルナを包む様にしてクリーム色の髪を漆黒にしていく。
「覚悟はしていてください。私はいたって本気ですから。
甘く見ていると貴方、怪我どころで済まないですからね」
彼女はそう言うと、もう一度鎌を構えて青年に向かって飛んだ。
上手い具合に玄関の扉に立っていた青年を鎌の刃は捉える。
___フッ。
シャルナは軽く笑った。
鎌は黒炎を出しながら、青年を襲う____________が、
青年は素早く後退し、庭に出てその一撃を避けた。
「流石に一撃では無理とは思いましたが・・・・・・・・。でも、これからですよ?」
シャルナは鎌を横に振って、黒炎を衝撃波の様に出す。
_____ゴオォォォ!!!!!!!!!
周りの草木を燃やしながら、その衝撃は物凄い速さで向かってくる。
青年は素早く飛び退いた。
衝撃波はそのまま門に当たり、その門を一気に溶かす。
「スゲェ威力」
「・・・・・・・・・当たったら即死だな」
「だろうな」
門を見ながら二人は余裕をこいて話す。
そして、青年は右手を翳しその手の中に刀身、柄、全てが漆黒の刀を現した。
「黒神の魔刀、
デストロイ
_______〈破壊刀〉。」
「黒神の魔刀・・・・・・・?」
「そうだ」
首を傾げるシャルナに、平然と頷く青年。シャルナの眉が厳しく寄せられる。
それもそうだろう。
青年は、
、、、、、、、
黒神の魔刀、と言ったのだから。
白神に魅入られたのに何故、黒神などと言ったのだろう。
「・・・嘘よ、黒神の魔刀だなんて。貴方は白神に魅入られたのでしょう?
白神——神の世界にいる普通の神が黒神と言う裏切った者の能力など要らないわ」
「確かに要らないだろうな」
「だったら、何故貴方は言ったの」
「知らなくていいんだよ」
デストロイ
そう言うと青年は、破壊刀という名の刀をシャルナに向けて大きく振りかざした。
____キイィィン!!!!!!!
刀と鎌が交じり合う。
交じり合った時に出来た衝撃があたりを震わす。
細身の刀の意外なる重みに思わずシャルナは表情を歪める。
鎌に力を込めて黒炎を出し、そのまま青年を包み込んだ。
しかし、その黒炎をその刀で掃って青年はすかさず刀で切り刻もうとする。
シャルナは後退して、構えなおす。
「これで、分かったか?」
「・・・何を」
「黒神の魔刀って事だよ」
「・・・・・私は信じません」
「やっぱり?」
「えぇ」
「でもさ、事実」
「嘘よ!」
「真実」
シャルナは目を伏せて、聞いた。
「証拠は? そっちの神は白神でしょう?
黒神の能力など使えはしない。なのに、どうして黒神の魔刀などを使えるの?」
「・・・君はもう死ぬから教えてやるよ。
クローン
___俺が、黒神の創った複製だから」
「_____!!!」
続く