ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神に魅入られし者。 ( No.23 )
- 日時: 2010/05/08 18:53
- 名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)
*注意!!
この話は特にグロテスク&流血表現が多いです!!
本当に無理な人は、「無理!!」と思った時点でとばして下さい。
† 第一章 「黒神の創った者」 第十話 †
「『ウンディーネ』!!!!!!!!!!」
青年がそう叫ぶと白神は両手を合わせて、水色をした怪しい光を放った。
その光は燃え盛る黒炎の方へと行った。そして、光が水に変わった。
シャルナが振り向いた場所は黒炎が燃えていたはずなのに、何故かなかった。
そう、水が。
水色をした水が黒炎を消していた。
無色の普通の水ではなくて、本当に水色をした水だった。
それが、炎を消した。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・消えている」
逃げようとしていたシャルナだが、足止めとしておいた炎を消されて青年との距離は先ほどとさほど変わっていない。
「ウンディーネはな、水の精霊なんだ。
だから、どんな場所でも、どんな炎でも、水として最高の力を出す」
「それに、白神の俺と複製のこいつの能力もプラスされるからさらに強力になる」
淡々と言いながら、青年と白神は近付いてくる。
逃げる術はない。
頭がそう言った。
体は逃げたい。だが、震えて動かせない。
無理だ、と。頭は言った。
「・・・・・・ごめん。君は終わったよ」
静かに、青年はそう言った。
そして、手にしていた破壊刀で、怯えに耐え切れず崩れ落ちたシャルナを斬った。
斬った時、破壊刀に斬った感触が伝わった。
骨を斬った鈍い音と皮膚を切り裂いた軽い音が響いた。
そして、青年の足元に首が転がった。
断面は白い骨と赤い肉、筋肉。そして、黒いカビの様な物。
これは、黒神のなれ果てた姿だ。
魅入ったが魅入られたので、シャルナの体の中へと完全に取り込まれていたらしい。
そして、あたりに広がった血の海。
鮮やかな色は若い子供だからこそ、描ける色だった。
「・・・つまんねぇの」
一言、淡々と白神は呟いた。
白神と呼ばれる神でありながらも、白神はスリルを毎回楽しんでいた。
黒神を殺すのが、操り人形を殺すのが生き甲斐とする少し変わった神。
一方の青年は、黒神の複製でありながらも黒神を消す為に動いている。
ただ、少しの同情と少し、黒神や操り人形に対する言動は優しい。
「つまらないとか言うな。殺ったんだからいいだろ?
だいたい、死体処理山ほどあるんだからいいじゃないか」
この街には人はいなかった。
そう。
、、、、、、、、、、、
________生きている人間は。
だから、後でこの街で腐敗臭だらけになっては困るので死体を完全に消さなければならない。
その人物の存在すらも、この世界から消さなければならない。
神の力では十分可能だ。あと、エクソシストでもいい。
「あーー、忘れてた」
「多分、この街の人口の全員は彼女のおかげで死んだと思うんだ。
だから、約250人ほど俺等で消さないといけないな」
「・・・面倒臭い、な」
「でも、放っといたら大変な事なってるぞ、多分」
「だろうな」
「・・・・・・・でも、まぁ。魔女の祓滅は終わりって事で?」
「いいよな」
続く