ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神に魅入られし者。 ( No.24 )
- 日時: 2010/05/09 20:37
- 名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)
第二章 「エクソシスト」 第一話
「やっと帰って来れたな」
「・・・死体処理でまさか丸三日かかるとは思わなかったもんな」
ここは、〈シェイプ〉と呼ばれる街。
隣に大きな海があり、港があるので色々な国や街の人々が行き交う。
それに、大きな鉄道が何本も通っていて、観光地や貿易地としてとても有名だ。
そのせいもあってか、この街を中心とした辺りには様々な言語を話す人がいる。
そして、その中で一際目立つ大きな建物。
中世の城のような感じの建物はシェイプにいるエクソシストの拠点となっている。
ここをエクソシスト達は、〈リタプレ〉、と呼んでいる。
エクソシストは、黒神を滅ぼさなければならない。
しかし、エクソシストは魅入る白神の気ままによってうまれる。
だから、エクソシストという存在は希少価値だ。
そのため、任務として黒神や〈操り人形〉を滅ぼすように〈リタプレ〉というのが各地に出来た。
この組織の一番頂点に立つ者は、神の国で一番偉い神が魅入ったエクソシストがなっている。
そして、各地にある〈リタプレ〉の上に立つ物はその中で一番強いエクソシスト。
一人の青年は暫くその〈リタプレ〉の前に立っていたが、かなり大きい門を開けて敷地内に入った。
ここの〈リタプレ〉は建物を囲むように高い塀が建っていて、その中に灰色の城の様な建物が建っている。
要塞に近いものだと考えても過言ではないほど大きい。
敷地内は、木が生えている程度でさほど豪華ではない。
どちらかと言うと、堅苦しい感じの〈リタプレ〉じゃないからだ。
他の〈リタプレ〉はどちらかと言うと堅苦しい感じを持っている所がどうしても多い。
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簡単に言うとここは、世界を滅ぼす黒神を相手にしているのに気楽に過ごしている〈リタプレ〉。
実際に、危険で命の保証などない任務などもある。死んだエクソシストだって絶対にいたはずだった。
だが、ここの〈リタプレ〉の上に立っている人物の性格からなのかどうしても気楽な人間しかいない。
どんな危険な事があってもあまり気にせず、仲間という存在を大切にする。
敷地内では30歳前後ぐらいの大人がテーブルのある所で談笑していた。
一人は、黒い短髪で黒い瞳のかなり身長の高い奴。
もう一人は、少し長めの茶髪に藍色の瞳のどちらかと言うと小柄な奴。
こんなオッサンでもエクソシストだ。
ただ、任務が無い時は集まって賭け事や酒を飲んでいる事が多い。
帰ってきた青年に気がついたのか少し手を上げて声をかけた。
「よぉ、帰ったか。ちゃんと任務は出来たのかよ?」
背の高い方の男はそういいながら酒瓶を青年のほうへと向ける。
その酒瓶を取り上げテーブルに置きながら青年は、
「当たり前だ。俺を誰だと思っている」
と、ぶっきら棒に言った。
「まぁ、この〈リタプレ〉の代表的なエクソシストだもんな」
隣に座っていた小柄な男は同じく酒を勧めながら言ってくる。
同じ行動に青年は眉を寄せると酒瓶を奪い取ってテーブルに置いた酒瓶と共に近くにいた女性のエクソシストに手渡した。
女性は少し首を傾げたが、有名な呑んだくれがいたので笑顔で酒瓶を持って建物内に入っていった。
思わぬ光景に唖然とした二人は暫くぼうっと見つめてから、
「ちょっ!! 俺らの酒をどうしてくれんだよ!!!」
「そうだぞ? 任務帰りの俺らが酒を飲んでいても別に構わねぇだろ!」
と、怒鳴った。
あまりにも五月蝿かったので、青年は手で二人を止めてからこう言った。
「ジルバ、ロイジ。俺はこれからジェッジに任務報告しに行くわけ。
お前らの相手してる場合じゃないっていうのは、分かる? OK?」
早口でまくし立てるとスタスタの何事も無かったの様に建物内へと入っていく。
「・・・・・・やっぱり、俺ら馬鹿にされてるな」
「あいつの方が一枚上手だって事だ」
二人は、隠していた酒瓶をこっそりと出しながら寂しく言う。
各〈リタプレ〉は区別のためにある名称で呼ばれている。
バスケットブラックゴット
ちなみにここは、〈黒神の籠〉と最近呼ばれている。
違う〈リタプレ〉の者達が皮肉を込めて付けた名だったが、今では有名となった。
様々な年代のエクソシストがいる変わった〈リタプレ〉だが、最強のエクソシストが集う〈リタプレ〉でもある。
そして、何より言われるのは___________。
クローン
_______黒神の複製。
続く