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Re: 神に魅入られし者。 ( No.6 )
日時: 2010/04/18 14:55
名前: 悠 ◆FXzmrZiArI (ID: w3Re2V0V)

        † 第一章 「黒神の創った者」 第三話 †


夜道を一人の青年が歩いていた。
街灯は所々壊れていて月明かりしか道を照らしていない。
レンガ造りの家には電灯の明かりはない。
青年がポツリと呟いた。

「本当にここに人が住んでたのかよ」

この街には、人の気配が全く感じられない。
唯一、この街にきて気配というものを感じたのは邪悪な気配だけ。
青年の隣に浮いている白い仮面をつけマントを羽織った白神(はくがみ)は笑いながら言った。

「そりゃ、街があるんだから人はいただろうな」
「・・・・・・それは分かってる」
「でもよ、本当にいると思うか?」

白神は青年の方を向き聞いた。
青年は何がいるかを少し考えてから言った。



                            、、、、、
                 「_______魔女か」



この世界には魔法というものは存在していない。
すなわち、魔法を使う女=魔女は存在はしていないはずなのだ。

しかし、この街は〝魔女がいて街の住民を魔法で殺した〟と周辺の街から言われていた。
魔女の名はシャルナ・フェリーフ。この街の市長の娘のお嬢様。
家は街の一番奥の屋敷。家族構成は父親と母親。あとは家政婦が住み込みでいた。

「でも、まだ子供だよな?」

青年はシャルナが写った写真を見ながら言った。
整った顔立ちをしてはいるが彼女はまだ十四歳だった。

「お前もまだ餓鬼だろ」
「五月蝿い!」

白神の言葉を青年はすぐさま遮った。

「まぁいい。さっさと魔女とやらを祓滅(ふつめつ)させに行くか」



                              続く