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Re: 〜ZERO〜1話&2話更新♪ ( No.11 )
日時: 2010/02/26 18:36
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

3話  『人類の進化』

A棟 1階 職員室

本郷は一時限目の用意をしていた。
ホイッスルと名簿を持つと、職員室を見渡す。
ほかの職員はすでに授業担当のクラスに向かっていた。
「よし、行くか!!」
本郷がそう言ったその時だった。

「邪魔するぞ」

クルーエルを先頭にミスターⅩが職員室に入ってきた。
すると、ミスターⅩは腰から銃をとり本郷に向ける。
「え?」
「名も分からない男よ。許せ。」
‘パシュ!!’
音もなく、消音銃からでた弾は本郷の頭を貫いた。
本郷は職員の机に派手に倒れこみ、プリントや鉛筆が床に転がり落ちる。
「死体はそのままにしておけ。クルーエル、お前はここで待機しておけ。」
「了解。」
ミスターⅩは両手を前に出し、力を込めて空気を押した。
すると、職員室のデスクや椅子が前に吹き飛ばされた。
大きな音をたて、デスクや椅子が床に落ちる。
クルーエルはその光景を見てニヤリと笑う。
「その力を見ていつも思います。彼らがなぜ、あなたのような男に従うのか。」
「ハーシェルたちには教えていない。彼女たちは金目当てだ。能力を知っているのは君とゼロ。後はファルコン。」
ミスターⅩはそう言うと、職員室の扉をあける。
「どこへ?」
「校内見学だよ・・・・」
ミスターⅩはそう言うと、扉を閉めた。

**********

3−1教室

要晴香を人質としたブルーは、突然そわそわとし始めた。
周りを見渡したり、窓の外を見たりと挙動不審になってきた。
駿やほかの生徒もその異変に気づいていた。
「おいクマ。もしかしたら今がチャンスかも・・・」
駿の席とは反対の後ろ側の席に座る原田幸介は誰かにつぶやいている。
幸介の前にいる大きな男子生徒、大熊道夫はその言葉に頷く。
「チャンスだな・・・・行っていいのか?」
「馬鹿!!お前、相手は銃持ってんだぜ?それなりに作戦を・・・」

「おい!!何をコソコソしている!!」

ブルーが幸介と道夫の話に気付き、近づいてきた。
「何を話して・・・」
「うらぁ!!」
道夫はブルーの銃を‘もぎ’取ると、そのまま後ろに突き飛ばす。
ブルーは道夫の15歳とは考えられない怪力に驚き、唖然とする。
道夫は銃を幸介に手渡す。
「ざまぁみろ!!形勢逆転だぜ!!」
幸介は道夫に目で合図する。
「クマ、こいつを縛って尋問しようぜ!!」
幸介の意見に、全員が賛同する。
「そうだ!!そうだ!!」
「やっちまえ!!」
その光景を見ている駿と友里は目を合わせて笑う。
「原田君にクマ君、すごいね。」
「無茶ばっかだよ。あの二人は・・・・」
二人は再び笑った。
その時だった。

「動くなぁ!!ガキどもは席に着け!!」

突如、教室にマシンガンを持ったガリレオとハーシェルが入ってきた。
「おわっ!!」
幸介はハーシェルの蹴りを腹に食らう。
「座っててね。」
ハーシェルは幸介が持っていた銃を奪い返すと、ブルーに投げ渡した。
「ブルー、次失敗すればミスターⅩに報告してやる。」
「ちっ・・・」
ブルーは立ち上がり、3人で生徒を席に着かせる。
「おらおらぁ!!席つけやぁぁぁ!!!!」
ガリレオは教卓の上に立ち、マシンガンを生徒に向ける。
「ハーシェル。誰を連れていく・・・?」
「勝手にきめてよ。私には決められない。」
ハーシェルの言葉に、ガリレオはニヤリと笑う。
「そうだな。じゃあ、さっきブルーを倒しかけたそこに二人と・・・お前もだ。」
ガリレオは幸介と道夫、道夫の前に座る宮澤孝明を指名した。
「後は・・・お前とお前だ。」
ガリレオは友里と駿を指さす。
「わ、私と駿!?」
「そうだ。お前らは我々についてきてもらうぞ。不審な行動をしなければ何もしない。」
ガリレオの言うとおり、選ばれた5人は席を立つ。
ハーシェルを先頭、ガリレオは後ろに着き、7人は教室を出た。
「ブルー、後は頼むぞ。失敗はするなよ。」
「・・・・了解。」
ガリレオはニヤリと笑うと、5人を連れてどこかへと向かい始めた。