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Re: 〜ZERO シーズン1〜 6話更新♪ ( No.17 )
日時: 2010/03/06 21:41
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

7話   『事情聴取』

萩原中学校襲撃から3日後

駿と友里、本郷の後任となった長野勇樹は東京県警に来ていた。
「2人とも、な、な、何があったかは知らないけど、正直に話すんだよ」
長野は眼鏡を直しながら言った。
「なんで先生の方が緊張してんだよ。」
「本郷先輩が亡くなり、生徒が一人行方不明。し、仕事が山積みなんだよ。新米にこんなこと任せるなんて・・・」
長野がブツブツと言っている間に、二人は言われた通りの部屋へ向かった。

**********

東京県警 4階 尋問室

尋問室の中は駿と友里、後は刑事二人となった。
長野は尋問室の外で待たされている。
「まずは自己紹介だ。私は本原慶介、刑事だ。こちらは石田雄之助。私のパートナー。」
石田は二人を見て会釈をする。
本原はデスクに二人を座らせると、向かい合うように座った。
石田は隣で立っている。
「まずは、君たちを呼んだ理由を言おう。テレビでは放送されなかったが、いや、させなかったが、なんで琴庭駿君の自宅が攻撃されたんだ?」
「攻・・・・撃・・・・?」
駿はその言葉を聞いて不思議に思う。
能力についてはバレていないはずだ。なぜ、攻撃と分かる・・・。
「君の半焼した家を鑑識が調べた結果、燃え上がった原因は不明。考えられるのは、武器か何かか、あまりケースはないが自然発火しかない。」
駿は本原の説明に唖然とする。それと同時にとある心配が思い浮かんだ。
もし、能力のことがばれたら自分はどうなる。
駿は横にいる友里を見る。
友里も気づいているようだ。
「・・・?何か隠し事でも?」
「い、いえ。」
「それでは、気分転換に質問を変えよう。」
本原はそう言うと、デスクの引き出しから数枚の資料を取り出す。
駿と友里の心臓は破裂しそうなほど動いていた。
なぜか、緊張する。もし、能力のことがばれたら・・・。
しかし、2人の考えとは違う質問を出してきた。
「その、テロリスト集団のことについては何か知っていることはあるかい?」
本原の言葉に、2人はある4人に顔が思い浮かんだ。
「確か、クルーエル、ハーシェル、ガリレオ、ブルーと呼ばれていた4人のことは覚えています。」
「コードネームか。本名は分からないか?」
駿と友里は顔を合わせ、友里が口を開いた。
「ハーシェルと呼ばれる女性。彼女は空手大会準優勝の水本成美さんです。」
友里がその名を出すと、本原と石田の顔色が変わった。
本原は石田の方を向いて何かを言うと、石田は急いで尋問室から出て行った。
「あの・・・なにか・・・?」
「実はな、公には放送してないが、彼女は現在収監中だ。」
「収監!?」
2人はその言葉を聞いて唖然とした。
「その人はどこに!?」
「その前に一つ忠告しておく。場所は今から言うが、絶対にほかの人間には言うなよ。」
2人はその言葉に恐ろしさを感じた。
「じゃあ、行こう。」
2人は本原に連れられ、尋問室を出た。
尋問室を出ると、長野が3人に近づく。
「あの、二人は・・・」
「先生。今日はお引き取り下さい。」
「は?」
長野は本原に近づこうとしたが、本原は長野を睨みつける。
「は、はい!!」
長野はあっさり、3人の目の前から走り去った。
2人は長野の姿を見てため息をついた。
「弱い先生だな。」
本原は苦笑いをしながら言うと、2人を連れてとある場所へと向かった。