ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: _地球崩壊_ ( No.5 )
日時: 2010/02/28 19:07
名前: 流都 ◆CwIDAY6e/I (ID: xurEHj3I)

第二話『外国の者』

俺達が生まれる数年前は、人々は戦争などしないで、互いに平和を築いてきた。
なのに、“地球温暖化”とかで自然は崩れていった。
それで、自然を奪うための“自然戦争”が生まれた。
昔が、戦争で多くの人の命がなくなり、もうしないと決めたのに……。
またあんなおぞましい日々を人間は繰り返さなくちゃいけないのかよ?
……そう俺に質問を投げかけるが、答えなど、無い。
あったら不思議だ。
でも、答えがあっても、俺は子供。
子供の考えだし、“子供”というだけで流されてしまう。
子供は…何も出来ない。
そんなことを考えながらずっと野菜を採っていた。
野菜など、もうこの地にはほとんど無い。
見つけたら、俺達庶民には食べられない。
全部、村長とか、偉い人が食べる。
俺達が頑張って採ってきたのによ!
一応報酬はあるが……。
少ないものだった。
多くて100円というもの。
まぁこの状況だ。
わがままも出来ないよな……。

*

「あ〜! 疲れた! もう日が暮れるし…帰ろうか。 一応、採れたしね」

美雪はおばあさんがするような、手を腰にあてて言った。

「そうだな。 帰ろう」

俺達はバケツを持って、野菜を採っていた場所から離れた。

*

村の入り口までくると、何やらがやがやと賑わっていた。

「どうしたのかな?」

美雪がそっと俺の耳とに言う。

「さぁ……? あ、兵士だっ。 何かあるのかな……?」

村の入り口には兵士が4人と偉そうなひ人が1人いた。
俺等はこっそり近づいて様子を見る。
やがて、5人がいなくなると、俺と美雪は駆け足で入り口まできた。
そこには俺の母さんがいたから、状況を聞いた。
すると、アメリカ人が2人、人質として来たらしい。
そこで、あまり目立たない、この小さな村にその人質を隠せ、というものだった。
俺はチラリとその2人をみる。
1人は俺と同い年っぽくて、可愛い少女だった。
俺はこれまで外国人を見たこと無かったから、この少女がものすごく美人に見えた。
目は澄んでる水色で、肌は白い。
だけど、いろいろ殴られたような痕がある。
そして、髪は金髪。
でも、こっちも色々殴られたのか髪がはねている。
そしてもう1人は少年で、少し大人びている顔だった。
その少年は俺ら日本人を睨んでるような目つきで見ていた。
無理も無いだろうな。
少年は金髪に近い栗色で、目も明るい栗色だった。
鼻にはわずかなそばかすがある。
こちらも結構な美少年だった。

これが俺等の出会いだった。