ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

プロローグ   ( No.1 )
日時: 2010/02/28 14:08
名前: カレン (ID: .KyU0SCB)

プロローグ

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終わりが始まった。



————だなんてよくある小説の節だ。

大体、終わりが始まるってのはおかしいんじゃないのか。
もっとふさわしい言葉があるはず——なんて
考えてしまったのはなぜだろう。


終わり。それはすべての停止を意味するものだと思う。
まあ、あくまで考えなんだが。

この世に、何も存在しなかったのなら何が残るのか。
それは、今の時代を生きる俺には分からない。
分かるはずもないが。


「…ねえ、きいてる?」

「え?」

「え? じゃないわよ!! リョウちゃん、話聞いてなかったわけぇ?」

「いやいや、聞いてたって」

「んもお〜」


相変わらず、アカリは声が高い。
ケンカしたときとか、怒らせた時の声の高さはまるで、さる…ごほごほっ
いいかげん、ちゃん付けで呼ぶのもやめてほしい。
この前も「リョウちゃんって呼ばれてんのお前!」ってケイゴに笑われた。

もう、幼くないのだから。


「私が思うに! ミナミとツカサは付き合ってると思うんだよね!!」

「へえ〜」

「…何よ、その興味のなさそうな顔は」

「んん」


こうして、グダグダな感じで今日の昼休みも過ぎていく。
—————まだ何も知らない、始まっていなかったのだから。



———きっと。

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