PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ——吟遊詩人レミの物語—— ( No.1 )
- 日時: 2010/02/27 01:19
- 名前: 白魔女 (ID: Eda/8EBL)
**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆** プロローグ **☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**:;;;;;:**☆**
一人の吟遊詩人は詠う。
神は我らに仕事をお与えになった。
“地”には、ありとあらゆるモノを支える仕事を与え
“水”には、生き物達の喉を潤す仕事を与え
“風”には、生き物達を涼しくさせる仕事を与え
“火”には、生き物達を温める仕事を与え
“木”には、生き物達の食欲を満たす仕事を与え
“生き物”には、『生きる』という仕事をお与えになった。
ならば我らは詩を詠おう。
様々な者達に喜びを与えよう。
“地”の様に勇ましく
“水”の様に安らかに
“風”の様に滑らかに
“火”の様に荒々しく
“木”の様に楽しげに
“生き物”に、“生”の素晴らしさを伝えよう。
それが我ら、吟遊詩人。
吟遊詩人は息を吐いた。最後にまた小さく詠う。
そして、神は我らに、詠う以外の特別な能力をお与えになった。それは、
——詩を詠い、魔法を出すこと——。
吟遊詩人が歌い終えると、その手元には、元々なかったはずの暖かな火があったのだった。
PR