ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Living Dead 【オリキャラ協力求む】 ( No.8 )
- 日時: 2010/03/07 13:40
- 名前: 黒神 恢羅 (ID: vQ7cfuks)
live03 厄
校舎内は外より一層暗くて、俺はそんな廊下を静かに歩いていた。
コツコツと俺の足音だけが耳に聞こえる。
「やべ、月隠れたじゃん。なんも見えねぇよ」
雲によって隠された月は光を失い俺の目に映るは廊下の奥にある消火器の赤いランプだけ。
「急いで終わらせて帰りてぇ」
俺は二階にある一年二組の教室へ走り出した。
ついさっき、携帯にメールが届いた。
内容はこうだ。
“一年二組教室内にて屍を発見。早急に破壊せよ”
「簡単に言ってくれるけどよぉ。結構難しいんだぜ」
屍、それは死した人間の堕ちた姿を示す。
普通死んだ人間は上に昇り、転生する。
しかし、稀にこの世に大きな未練を残し、生き返る者がいる。
それが“屍”だ。
ま、俺はただの屍じゃねぇけど。
あの感じだとあの神崎と常陸も“そう”っぽいが。
俺は大きくため息を落とし、教室のドアを開けようとした。
その時だった。
俺の頬を何かが掠る。
そして頬からは一筋の血が流れる。
「え……」
何事だよ。
こんな時間、こんな事をしてくる奴と言ったらあいつらしかいない。
「死神さんかよ」
俺は振り向き刀を構えた。
足音がだんだんとこちらに近づく。
暗闇の中を明るい金髪が揺れ動く。
「花月」
名を呼ばれ俺は一歩後ろに退けた。
聞いたことにある声。これはあいつに声だ。
黒いトレンチコートに黒のジーパン、そしてあの金髪の長髪ときたらあいつしかいない。
黒野 剛(クロノ ツヨシ)……第一級死神。
奴らは人間を喰らう屍を狩る為に存在する。
だが、屍にも二種類あり俺達は人間に害を及ぼさない。
そう“契約”しているからな。
でもあいつら死神にはそんな事は関係ないようだ。
その証拠に今あいつから凄まじい殺気が放たれている。
「やる気満々みたいッスね」
俺の額から嫌な汗が流れる。
*
「ん? こりゃぁ、ヤバイのがいるな」
神崎が校舎内に何かを感じ取ったのかそう言った。
「なんだ? 屍か?」
「いや、違う。これは、死神、だな」
そう言った神崎はハッとしたように目を見開いた。
「まさか。あいつ、死神と殺りあってんのか!?」
その言葉に俺は校舎を見つめた。
気配は二つ、一つは花月の、もう一つは……。
「行くぜ、朔夜」
俺は神崎の進む方へ走り出した。
死神、厄介な奴だ。
出来ればそんな奴とはヤ殺りあいたくはないんだが。