ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 七 つ の ハ ナ シ ( No.5 )
- 日時: 2010/03/05 22:59
- 名前: マナ (ID: f7lRTJvX)
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人 形 は ———— 持 ち 主 に 置 い て い か れ た 哀 し み で ————— …
黒 く 、 黒 く 、 黒 く 、 真 っ 黒 く な り ——————…
ず っ と ——————— ず っ と ————— 当 て も な く ——— …
持 ち 主 を —————— 誰 か を ———— … 待 ち 続 け て い る 。
真 っ 黒 な 部 屋 の 中 で 、 闇 に 溶 け ————— 蠢 き —————
人 々 を さ ら っ て い く ——————————・・・
第 一 話 , ど ん よ り 雲
夏———湿った生温い風と、灰色の厚い雲が空を覆っている。
薄汚れた学校の壁と溶け込み薄暗い雰囲気を醸し出している。
人気もなく、木々がざわめき不気味な音を出していて、
現実からはとてもかけ離れた場所にいるようだ。
そんな学校の校門の前に一人の少女がいた。
学校は休日のため誰一人生徒はいない。
しかし彼女はため息をつきながら薄暗い学校へ吸い込まれるように入って行った。
「・・・・・」
彼女は無言のまま、学校の一番隅にある準備室へと向かって行った。
昔、準備室ではある怪談が流行った。
謎解きが大好きな〝憑界先輩〟と言うお化けやら幽霊がいるということだ。
怪談を最後まで聞き怖がらないと、永遠に返してもらえない…とか。
そんなこんなで、現在、準備室は生徒…先生さえも近づかないのだ。
しかし、彼女は普通に学生鞄を背負い、
その手にはコンビニで売られている弁当をぶら下げながら、
静かに準備室へ向かって歩いて行った。
*
「……憑界先輩。お昼買ってきましたよぉ—。」
ガラガラ——っと、扉を開けると、本や物がごった返し、
整理整頓もされず、
埃がたまり、
人がいるとは思えない状態。
ついでに言えば、本の題名も「21世紀の都市伝説…」とか、オカルトものばかりでろくな物がない。
風が吹いていると思えば、窓は全開だし。
何もかもめちゃくちゃだ。
ここに住んでいる人と、一緒だ…。
「…憑界先輩—————————!!!!!お・ひ・るぅぅぅぅ!!!!」
「ムゲェ!」
と、教室の奥から男の悲鳴が上がった。
つぎはぎだらけの、ソファの上に寝ていたんだろう。
さっきの大声をだしたせいで、ソファーから落ちている。
クシャクシャの髪の毛。
古びたワイシャツと学ラン。
目の下にあるクマ…。
子供が見たら怖がって寄らないだろうし、泣く可能性もある。
「…また、寝てたんですか。お昼です。憑・界・先・輩!」
彼女は、鼻を鳴らしながらコビンニの袋を彼の前に突きだした。
彼は…
「フン、寝て何が悪い!それより新しい怪談と昼飯は!」
彼———憑界先輩は、この後、彼女にボコボコにされたのは言うまでもない。
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