ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 第三次世界大戦 〜人類滅亡〜 ( No.8 )
日時: 2010/03/06 10:50
名前: 由奈子 ◆ZYXB0j8IMM (ID: PLGY6GgC)
参照: http://www.youtube.com/watch?v

第二話 「不安と絶望」


男A「どっどういう意味ですか!?」

男子生徒の問いにも答えずに松崎は「どうぞ」と扉に
向かって叫んだ。

生徒らにとっては意味不明な言葉だったが、何者かは
反応したように教室の扉をあける。

一同「!?」

扉から現れたのは、迷彩柄の服を着た男だった。
例えるなら、自衛隊や、兵士だろう。

その後ろからゾロゾロと同じ服をきた兵隊が入ってきた。

兵士らは姿勢正しく黒板の前に並んだ。

男A「・・・だっ・・・誰なんですか・・・・?」

男子生徒Aに続き、他の生徒も口を開いた。

すると、扉からは一人の男性が入ってきた。

黒い紳士服に身をまとい、男の後ろには兵士が二人並んでいた。どうやらこの中では一番偉い人物らしい。

男「皆さん、おはようございます。」

男は礼儀正しくお辞儀をした。

男「今回、男子生徒のみなさんには特別訓練を受けて
いただきます。」

大体の話は、凛でさえも分かった。

『日本もついに戦争を行うと言う意味だということ』

凛は、幸運にも女だったためそこまでの心配はしなかったためか、ぼんやりと男子生徒たちが教室を出て行くのを眺めていた。

というか、脳がまだ理解してくれないのだった。

中には抵抗する男子生徒も何人かいた。しかし、兵士
らが取り押さえたり、銃をむけられると無防備な生徒
らは従うしかない。

女子生徒らを残して、兵隊らは教室を後にした。

男「女子生徒のみなさんは、普通に授業を受けていてください。」

男は手をふると、その場を後にした。


神崎家———

意味の分からないまま学校は終わってしまった。

担任の松崎も、訓練を受けるために明日からは女教師
が担当するそうだ。
何もかもがごたごたである。

凛はリビングへと向かった。

父と母が心配だった。

凛「お母さん!」

母「あら、凛 お帰り。」

母はおどおどした様子で言葉を放った。

リビングのソファに目をやると、いつもはいるはずの
父の姿がない。

凛「お父さんは?」

母『連れて行かれた』

凛「!?」


母の話によると、父も特別訓練をうけるために連れて行かれたそうだ。
その代わりに、特別資金を出すと政府は約束したらしい。

母「・・・・」

凛「どうして・・・なんで日本は戦争なんてやるの」

凛は母に泣きすがった。

凛にとって、父は大切な家族であった。たとえ、多額
の資金を出したとしても、父の価値は凛にとってはお金じゃ例えられないほどに愛していたから。

凛は部屋にこもり、一日中泣いていた。

父をお金で誤魔化ごまかすような政府が許せない!

凛は、三日間学校を休んだ。

その間は必死にいま日本で起こっていることを調べつくした。

日本はアメリカとその他国と手を組み、中国や北朝鮮
などのその他国を相手にしたそうだ。

第三次世界大戦まで、あと四ヶ月。

それまでに、兵器の開発、12歳〜48歳までの男性
は強制的に特別訓練を受ける事となった。
しかし、障害者や市役所で働くものはそのままの生活
を約束される。

女性や、12歳以下の子供もそのままの生活を約束される。
しかし、海外へ行くことを禁止される。
日本に在住している敵対国の人間はすぐに抹殺される
こととなる。

凛はあらためて世界がゆがんでいることを確認する。

そして・・・

『人類に明日が無い事さえも』


つづく