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Re: 二匹のおおかみの ( No.3 )
日時: 2010/03/07 23:47
名前: ノノ (ID: 5USzi7FD)

* 第2話 *


「何って、薬理学だよ

今日テストだよ?」

バートがため息混じりに言う。

「...あぁ、してないかも...」

「かもー?」

イグの親友バートもあの光を見た一人。

なんてったって、隣同士の部屋だから。

二人で笑っていると、後ろから誰かに、頭をたたかれた。

「いってぇ...」

「ちょっとは見習ってよ、あの子。

かっこいいし、頭いいし。ちょーいい」

目を輝かせて手をくんでいたのは、二人の友達ティア。

それを見たバートがイグに、耳打ちをした。

「アイツ、トイレで鏡見ながら、ウィンクしたり投げキスしてたって。

ティアに言ってよ」

「自分で言ったら」

「たぶんマディガエル口に積められるよ」

その時、一人が窓の外をさして叫んだ。

それを見て、次々に窓に人だかりができる。

見ると、森の奥に赤いものがのぞいた。

誰かが窓を開けた。

甲高い鳴き声が響きわたった。

その瞬間、赤い炎が森を包んだ。

熱風とゴウゴウと炎の音が充満した。