ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 〜FALL〜7話更新♪ ( No.13 )
日時: 2010/03/17 14:26
名前: 麻里子 (ID: EWcIN/Ij)

Episode1-8 【動き始めた計画】

浜辺

太陽も完全に空に上がり、浜辺にいる14人は目を覚ましていた。
それぞれ、飛行機の残骸や荷物で寝床を作っている。
アキラは同じクラスの浩太と寝床を作っていた。
「しっかし、俺ら生きて帰るのかな〜ぁ。」
浩太がビニールシートを広げながら言う。
「さあ?それより、宗助や先生は生きてんのかな?全部で6クラスで180人の生徒の内、ここには7人。」
アキラは周りを見渡しながら言う。
アキラに浩太に恵美、嫌みを言う玲奈。
1−2の中原瞬に1−6の山下茜。
それに、山本・・・ルカ・・・
「あれ?山本がいない・・・・」
アキラは周りを懸命に見渡すが、ルカの姿がどこにもない。
「浩太!!山本を見たか!?」
「え?見てないよ。」
アキラはすぐ近くで寝床を作っている恵美に駆け寄る。
「恵美!!山本を見てない?」
「見てないよ。」

「俺は見たぞ。」

アキラと恵美の後ろには、昨夜玲奈を黙らせた男が立っていた。
「えっと・・・」
「俺は新田剛志だ。昨日の女の子なら浜辺に沿ってどこかに行ってたぞ。」
新田の言葉にアキラは首を傾げた。
一体どこに行ったのだ・・?
アキラが悩んでいるその時だった。

「お〜い!!」

アキラ達が振り向くと、アンと影野が走って向かってきた。
「生存者だ!!生きてる人がいたぞ!!」
13人は2人に駆け寄ると、励ましの言葉をかけた。
「大丈夫ですか?」
「あぁ。それより、ここに山本という女の子はいるか?」
アンが目の前にいるアキラに聞く。
「え?山本は僕たちも探してるところです。いつの間にか消えてて・・・」
「その山本とという女の子が・・・飛行機を墜落させたんだ・・・」

「え!?」

全員はアンの言葉に動きが止まった。
山本が飛行機墜落の犯人?
そんなはずがない。まだ16歳の普通の女の子だ。
「どっちに消えた?」
「・・・あんた達が来た方向に逃げた。」
新田がそう言うと、アンと影野が顔を合わせる。
「何!?見てないぞ!?」
「ってことは・・・・」
全員は森の方を見た。
もはや状況をまとめられない。
アンは髪をボリボリと掻き叫ぶ。
「なんだよ!?青いトビラといい!!ジャミング装置といい!!」
「とりあえず追うぞ。」
影野がアンにいうと、2人は森の中へと走って行った。
「追いかけよう!!」
残りの13人も二人の後を追いかけ森の中へとはいって行った。

**********

追いかけられている自分の身も知らず、山本は自分のカバンを持って森を駆ける。
「ハァハァ!!」
山本は息を上げ懸命に走る。
その時だった。

「やはりお前か。」

「え?」

バン!!

一発の銃声音とともに、山本は地面に倒れた。
山本は頭を撃ち抜かれすでに死んでいた。
そして、気の陰から予想もしない人物が現れた。
「これまた、君がその装置を持っていたとはね。」
山本の目の前に死んだはずの副機長、馬場義光が現れた。
山本のカバンからジャミング装置を取ると不気味に笑う。
「運命には逆らえない。残念だったな。加斗屋守。」
馬場は山本にそう言うと、森の中へと消えた。

**********

過去に戻っても運命を変えることはできない____

それがたとえ試練や任務、神の命令だとしても____

運命には逆らえない_____

運命に逆らった者に降り注ぐのは_____

死_____

絶望______

我々人間には______

何もできないのだ______