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Re: 毒りんごと青りんごを片手に ( No.2 )
日時: 2010/03/12 18:48
名前: めぐ美(*∵*) ◆IOpEft4VP6 (ID: BwWmaw9W)

それはそれは、とても遠い昔の話。



まだ、貴方が生まれていないずっと前。

それはそれは、とても遠い未来の話。



もう、貴方がとっくに死んでいるずっと後。



「毒りんごを片手に昔を語らせてもらいます。」

「青りんごを片手に未来を語らせてもらう。」


このお話は、二人だけが知っている特別なお話。



毒りんごを見つめながら、悲しげな表情で、一人の少女は呟いた。



「何故、私は生きているのだろう?」

すると、青りんごを片手に持った少年が少女に対して言った。

「それは、もうとっくに死んでいるからだよ」

少年はそう言いのこすと、少女を置いて一人、
ほこりだらけの分厚い本を一冊、手に取った。

「これは、僕だけが知っている話だ。」

何やら不吉な笑みを浮かべながら、
少年はその分厚い本に息を吹きかけた。