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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 毒りんごと青りんごを片手に ( No.3 )
- 日時: 2010/03/12 18:50
- 名前: めぐ美(*∵*) ◆IOpEft4VP6 (ID: BwWmaw9W)
少年の息と共に、ほこりが暗い部屋中に飛び散った。
そして、ゆっくりとその本を開いて、
誰かに語りかけるように、少年は呟き始めた。
「僕しか知らない、未来の話。」
その言葉で、暗い部屋中の窓がバッと、強い風で開いた。
少年の目つきは変わり、先ほどの可愛らしい
顔ではなくなっていた。
すると、どこからか少女の泣き声が聞こえてきた。
さっきの、毒りんごを持った少女の声だ。
少年は、少女に分厚い本を投げつけた。
「ぎゃあ!」
少女の悲鳴と共に、ドサっと言う鈍い音が鳴る。
「この話は、貴方の苦しみがメインなんです。
…この少女の名は、クリスティーナといたしましょう。」
少年がどこか遠くを見つめながら言う。
少女はまだ泣いている。
その暗い部屋の中には、少年と少女と…。
「貴方、だけです。」
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