ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 毒りんごと青りんごを片手に ( No.4 )
日時: 2010/03/12 20:04
名前: めぐ美(*∵*) ◆IOpEft4VP6 (ID: BwWmaw9W)

「クリスティーナの親は、本当に金持ちですよね。
それはそれは、相当贅沢な暮らしをしたのでは?」


ここから、少年の話は始まる。




——クリスティーナ・インルス。

お前の親は、罪を犯した、人殺しだ。
罪人だ、皆殺しだ、死んでも済まない罪だ。

だから、お前も死ねばいい。

僕のこの手で、お前を殺してしまおう。



僕は、誰も居ない静かな公園で考えていた。

青りんごを片手に——。



「…最低だっ!」

何度叫んでも物足りない。
小さい頃から、大好きだった君の親に、僕の大切なものを奪われてしまった。

そのショックは大きかったんだよ。



いつも笑顔で、ずっと傍で笑ってくれてた。

そんな君が大好きだった。

いつからだろう、この気持ちは。

でも、その想いとは裏腹に、君の親に対しての憎しみが溢れ出てきてしまう。

大切なものをすべて、奪われたんだ。




全部。全部だよ…?

だからね、仕方ないよ。

こうでもしなきゃ、この僕の気持ちはおさまらないんだ。

殺さなきゃ…殺さなきゃ…。
その言葉が、ただただ頭の中で回っている。



僕は、青りんごをカバンの中に閉まって、精一杯走り出した。