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Re: _ウ イ ル ス 小 女 ( No.16 )
日時: 2010/03/14 18:50
名前: 蛇  ◆fZSEJubtto (ID: K.4zPHaY)
参照: http://    

第6話

 今まで、私に嫌がらせしたのは誰?
 私を醜くしたのは誰?
 私を閉じ込めたのは誰?

 私 を 産 ん だ の は 誰 ?

  全て人間のせい。

 私が人間に復讐することは、悪いことじゃない。
復讐してやる。ヴァンパイアになって、人間の血を飲んでやる————。

  ・・・私にはできなかった...。

 「・・・。覚悟...できてるの?」

 「・・・、俺は、なんになってもかまわない。」

 「強いのね。人間の血を飲むのよ?」

 斜は真剣な顔をして、もう覚悟はできているんだ、と言う顔をしてうなずき、私にいった。

 「ヴァンパイアでは、女はかなり少ない。」

 「え・・・?」

 「女性のヴァンパイアになるには、女性なりにかなり覚悟がいる。」

 やっぱり女性のヴァンパイアは少ないそうだ。
3~5歳くらいのとき、牢で暇だったときに優しい人間から、ヴァンパイアのことをいくつか聞いたことがある。
 女性のヴァンパイアは少ないそうだ・・・。

 「特におれたちは13歳とまだ若い。」

 「・・・。まだ覚悟がわかっていない・・・ということ?」

 「・・・。」

 私は、人間に復讐する気はない。
しなければいい。今まで、私のことを苦しめてきた人間なんて、復讐する気にもなれない。
 飽きれた・・・。生物・・・。

 「斜。ヴァンパイアになる決心はついてるんだね。」

 「俺は・・・。」

 「正直に言いなさいよ。ついてんの?ついてないの?」

 斜は、一瞬とまどって、口を開いた。

 「俺は覚悟の上だ。もうなると決めたんだ。」

 「決めた?いつから決めてたの?」

 「もう2年くらい前からだ。」

 私はおどろいた。私と出会うのを待ってたかのように、2年前・・・と・・・。

 もう残る道は一つしかない。
ヴァンパイアにならなければ、私はいずれ、人間にまた捕まって、荒れ地獄を験しなければならない。

 「私もヴァンパイアになる。

    血に飢えたみにくい化け物になって、

      人間に復讐してやる。」

  そういった私に、斜はニヤりと笑い。
私に聞かれるつもりなく、小さな声で言った。

 「依伊・・・。

   ついに———・・・。

        ———のヴァンパイア・・・。」


    
  私には

   一部聞こえなかった———。

                 続*。