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Re: 紅花と光空  [01(途)up] ( No.11 )
日時: 2010/03/20 21:23
名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)

 子供と遊ぶ私。羽の生えた子供。

 「頭痛い……」
と言う声がしたので、私はカーテンに隠れながらその声の主を確かめた。光空、と言う人かもしれないから。
 その声の主は、まさかの、まさかの空牙だった。何があったんだ、と言う位一日で知り合ってこんなに共通している事があるとは思わない。
 「そこのお前! 名は空牙と言うな?」
「え? ……は、ね?」
蝶子がいきなり大きな声を出して、空牙の後ろの方へ行く。空牙が後ろを振り向くと、勿論のごとく驚く。
少女に黒い羽があればそりゃ驚く。
 私は、その様子を黙って見ている。
 「あっ、千紅さん?」
ただ見ていただけなのに空牙に見つけられた。
 「まさか、空牙が光空とか言うわけ?」
「その通りらしいのう」
私は、蝶子に呆れながら質問すると、蝶子はニヤニヤしながら私に返してきた。
私は何となくその言葉にショックを受けた、と言うか引いた。
 「とりあえず、後は蒼霧を探すだけじゃ! 手伝ってくれぬか、二人とも」
「僕でも手伝えるんなら……」
「私はどっちでも大丈夫よ」
「決定だな。土日は空けておいてくれ」
と蝶子に言われた。
 暇な毎日が、いきなり、とても面白い毎日になる様で、とても楽しみだ。私に暇な時間がなくなる訳だよ。歩けば運動にもなるし、正に一石二鳥。
 そんな訳で蒼霧探しを開始した。