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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 紅花と光空 [01up] ( No.13 )
- 日時: 2010/03/26 11:52
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
02〔毒〕
蝶子と空牙に私が関係があると知った時から、同棲している奴が居る。その人物とは勿論の事、蝶子だ。
「起きんか、千紅!」
「うるさいよ、蝶子……」
大きな声で叫ぶのは、いつもの様に着物姿に黄緑の横結び、そして黒い羽の生えている蝶子。
今日は出かけるのだから羽を隠してほしいと思う。
私は、起きるとすぐに食パンを二枚とって、トースターの中に入れた。二分に設定したので、その二分間の間に私は顔を洗い、ボサボサの髪をくしで梳き、ポニーテールに纏め、白に紫のロゴが入っているTシャツの上に、黒のジャージ、そして、くすんだ水色のデニム地のジーンズに着替えた。
この小さい私よりほんの少し背の低い蝶子には、私の白のポロシャツの上にベスト、そして下半身には黒のスカートを着る様に言った。当たり前だ、着物で町を歩けば目立つ事間違い無しだから。
「蝶子、着替えたらパン食べてていいよ」
「うむ、感謝する」
生意気な、と私は思うが、本人が自覚していないからまたムカつく。まあ、その無邪気すぎる笑顔はまた可愛いものだけれど。
私と蝶子は朝食を食べた後に洗面台で歯を磨いて、そしてスニーカーを履いてから玄関を出た。
隣に居る蝶子はなぜか張り切って、スキップしている。そんな蝶子と手を繋ぐ。張り切りすぎてはぐれたら蒼霧さんを探すどころでは無くなるからだ。
だから蝶子と手を繋ぎ、私は空牙と待ち合わせしているデパートに向かった。
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